
公開初日に映画鑑賞した友人から「とにかく、すごい混雑。もう、満席状態だった。入れない!」と映画の内容より混雑ぶりの報告が先だった。それほどに人気の『風立ちぬ』。初回に行ってみるが、やややっ!さすがに凄い。座席指定だから、より凄さが分かる。最前列の端っこだったが次回からはもっと混むであろう。しかし、客層が不思議なほど。女性、男性、子ども連れのお父さん、赤ちゃんを抱いたお父さんが目だった。映画の最後は涙を拭う男性の姿も多かった。
内容はさることながら、日本語の美しさに私は本当に心から感動した。こんなに美しい日本語が普段の生活にあったのだと。今は荒む一方で日々、悲しくなることが多い。通じればいいじゃん!ではない言葉の世界、心があらわれ、そして明治生まれの祖父や祖母のうっすらととした面影を追った。主題歌の荒井由実「ひこうき雲」も実話をもとに作詞された曲と聞いた。しばし座席をたてないほどの感動を受ける。『文藝春秋』8月号では、映画監督・宮崎駿さんと作家・半藤一利さんが記念対談『風立ちぬ』戦争と日本人の企画ページがある。零戦の誕生、そして関東大震災。なんでも絵コンテが出来たのは3.11前日だったとか。この作品が生まれるまでの本当にかかわられた方々の努力や気持ちを大切にしたい。"ただ懸命に生きた時代の証言"と記事には書いてある。懸命に生きた時代・・・私たちはその時代をもとに今、生きているのだ。映画のポスターも美しい。
「風立ちぬ」 公式ホームページ
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