ichiko : 年賀状の向こうの顔 |
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元旦に届けられた年賀状に、なんともこの春は感動してしまった。これまでは年末というと必ず生真面目に賀状をととのえていたのだが、昨年はなんとも・・・・・
この数十年変わらぬ体裁の賀状。昔、「週間文春」の記者だったRさんからのもの。仕事がら、世界中を歩き、そして人間が食べられる限り?のものを食している方だ。毎年、感動してしまう。そして、必ず腰痛、歯痛などからだの不調で終わる。最後の文章に笑ってはいけないが、つい笑ってしまうのだ。随分前の話だが、新宿歌舞伎町に飲みに行こうという時、彼は酷い歯痛で頬を腫らしていた。というのに遅くまで「消毒!消毒!」といっては飲み続けたものだ。つい、毎年の賀状にその人々の笑顔やエピソードが浮かんでくるのは、なかなか愉しいもの。
添えられている、家族の話。息子が、娘が、小学校に入学した、卒業した・・・中学、そして高校。大体が高校で終わるものだ。特に、所謂有名私立・国立の学校に入った時などは、そりゃもう!しっかりと書かれてある。親子で大変な時間を過ごし、本当にホッとしているんだろうなぁという感が伝わってくる。
私の年頃になると、流石に子供の学校の話はなくなる。その代わり、息子が独立して、また、娘が嫁いで・・・・夫婦二人の寂しい?お正月ですというものが多くなっている。
多分、これからの賀状は入院していたとか、連れ合いが旅立ったとか・・・・そんなコメントが多くなるのだろうなあ。そして、本人が旅立った時、それこそ本当に「さようなら」だ。
年賀状を見ながら、そんなことを思うことも少し変だけど、父母が亡くなった後に、亡くなったことを知らずに賀状を下さる方々へ一通一通、返信の手紙を書いた日々を思い出していた。毎年のことだから・・・・でなく、大切に相手のことを考えながら、思い出しながら常に心を込めて賀状は書きたい。
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