いろいろなイベントや会合の場で、最近、特に感じること。人はその人にとって最も価値のあると感じる、例えば肩書きや組織名で人を紹介するものだということ別に、気にはしていないものの「元○○」という表現が好まれるようだ。
  今、私はミドル層をターゲットとした『ありか』という生活情報誌を発行しているのだが、まだまだ知名度もない小さな小さな紙媒体である。「今、吉田さんは“ありか”という・・いう」とは言われるものの多くは「元サンケイの名物編集長で・・・」となる。そんな時は大概、ニヤニヤと笑っているが心の中では「おいおい」と思ってしまう。卑近な事例でも「元○○新聞の編集局長で」とか「元○○首相のお孫さんで・・・」という紹介のされ方が多い。また拘りが表に出る場合、例えば「私の後輩が元東大の教授でねぇ・・・しかし本郷は昔とは全く変わっちゃって」などという方は本当に「東大が一番」という気持ちが強き「本郷」という地名を強調したりなさる。 先日も友人の一人と飲んでいた時、彼の言葉の中に「元○○の」という表現が多く、ついに私は笑い転げてしまったのだ。それで「元○○」と「前○○」について語りあった。人生でどのくらい「元」と「前」が必要でそして大切なものか?ということ。彼は理路整然と語っていたが、いずれ自分も「前○○」とか「元○○」と言われる、その日まで、理解出来ないだろうと思って観ていた。
  確かに「元」とか「前」という表現は、一つの大切な情報を伝えることに有効であることは確かではある。しかし裸で生まれて裸で死んでいく人間。いつもいつも「元○○」に拘ることなくその人の持つ能力や才能、煌く魅力。とどのつまり「本質」が一体何なのか?を丸ごと知り、付き合っていきたいものだとつくづく感じる。

| | コメント(0)

カテゴリ

コメントする

このブログ記事について

このページは、ichikoが2006年6月11日 20:24に書いたブログ記事です。

ひとつ前のブログ記事は「永遠とか絶対ということはない・・そんな実感」です。

次のブログ記事は「W杯で激突」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。

プロフィール

ichiko.tv

ichiko.jpg
吉田いち子
東京麹町生まれ。日本女子大学卒業後、サンケイリビング新聞社に勤務。2004年3月独立。
その後フリーランスで単行本取材・執筆。主婦、母親、会社員の慌しい?人生経験を生かした取材が得意テーマ。強みは「人脈」。名刺交換だけでなくまさに「魂」の交換?を理想にした密度の濃い人脈作りを目指している。2005年10月に首都圏在住の40歳以上のミドル層をターゲットとした生活情報誌『ありか』を創刊。2007年5月に、これまでに培ったノウハウを生かし編集企画・出版プロデュースをメーンとする株式会社『吉田事務所』を設立した。2011年春から豊島区の地域紙『豊島の選択』の取材・編集。

メール

ご意見・ご感想はコチラまで!

著書紹介

「にっぽんの旨い!を取り寄せる」
食文化研究家・永山久夫さんの全国津々浦々のお取り寄せグルメ100選。「おいしい」の裏側にある生産者の思いにも触れられる一冊。未知の「味」と出会える。
価格1,470円(税込み)

「横浜中華街行列店の秘伝レシピ」
横浜中華街で特に評判の高い厳選29店の味を家庭で再現するためレシピ。秘伝の味を再現するためのコツや工夫を惜しみなく公開。プロの味が家庭で再現できるか?について検証した。
価格1,470円(税込み)

「横浜中華街オフィシャルガイドブック2005-06」
独立して初めて関わった思い出のガイドブック。横浜中華街発展会協同組合の325店全店完全取材! 「食」と「文化」、「歴史」そして華僑・華人の「生活」に触れられるオフィシャルガイドブック。あの燃えるような夏の取材の日々は良かった。
価格950円(税込み)

「和食のいろは」
和食のおいしさを支える基本をあらゆる角度から紹介。プロに教わる目利きのコツから料理研究家直伝の和食レシピ満載。ずっと会いたかった道場六三郎さんをインタビュー。
価格1,470円(税込み)

「マヨネーズってわっはっは」
 親友のかっちゃんこと小林カツ代さんのマヨネーズを使って驚きレシピを紹介。遊び心がいっぱいのレシピや薀蓄も盛りだくさん。
価格1,470円(税込み)

「浅草散歩ガイド」
一カ月に一回は必ず遊びにいく浅草。路地裏は最高。どうしても「浅草のガイドブック」を作りたかった。浅草今昔物語から「食べる」「歩く」「憩う」「買う」浅草が満載だ。
価格1,260円(税込み)

2013年5月

      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31