ch07.味 : 「旬のどぜう」を食す |
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本格的な夏が到来する前の空気のにおい。そんな季節の旬の味。日本人に生まれて本当に良かったと感じることが多い。
江戸時代にタンパク質源のひとつとして広まったどじょうは、そんな季節の旬。特に今は卵をもっていて独特の旨さだ。そもそも江戸発祥の料理ではなく、古くから稲作地帯など各地で味噌汁などに入れて食べていたらしい。
浅草にあるどじょう料理の老舗「飯田屋」さんでこの旬の味覚を友人と味わう。特に浅草は日光街道が江戸への物流ルートので、商人が朝早くどじょう汁で飯をかき込み、帰りはどじょうで一杯ということで賑わいを見せたそうだ。
「どろくさいでしょ?」なんていう人もいるが、泥臭さは日本酒でぬく。酒は料理に欠かせない調味料だが、生きたきたどじょうに酒を飲ませているとも。体の水分が酒に置き換わって骨もで軟らかくなるそうだ。
どじょうを底が浅い鍋に並べる。しょうゆベースの割り下で煮ながら、ぐつぐついったところでとりだす。箸がスッと骨まで入る。たっぷりネギと食す。牛蒡もどじょうによくあう野菜だ。ウナギのような脂っこさはないので、常温の樽酒が良くあう。
盛夏前の至福の時。
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