差しさわりがあると思われるので詳しく具体的には書けないのだが、今日、ある話を聞いて愕然とした。

彼女は旬の新鮮な食材を使っての料理のケータリングの仕事をしている。本当に真心のこもった美味しい料理を提供してくれるので、私もちょっとしたパーティーでは利用させていただいている。
  ある超有名な私立の小学校での謝恩会の料理を依頼されたところ、児童全員の母親が参加しての試食会が行われたという。その席で「サンドウィッチはミックスサンドはやめて、ジャムサンドにしてください」と言われたという。理由は、キュウリやトマトが嫌いな子どもがいるから。そして「つくねは一つにしてください」と。二つだと一つを食べた後に、串で口を傷つける可能性があるからというのが理由。これだけではなく、あれダメ、これダメ・・・・・。堪忍袋が切れた彼女は校長先生に連絡して、今回、依頼された仕事を丁重にお断りしたとのこと。「もう、呆れて、何も言えなくなったわ」と私に伝えた。勿論、全員がミックスサンドを食べられないわけではないだろうが、多数の意見に多分流されて頷いてしまった母親もいるのだと思うが。
  「それにね、試食会というのに、競うようにブランドの服やバッグ、そして、むせ返るような香水のお母さんたちなのよ」という言葉の後に彼女の疲れた溜息が洩れた。
  過保護という問題ではないと思った。聞いた話がたとえ断片的であっても。こんな愚かな母親のてもとで子どもが育ち、成長して、愛する人と結婚と家庭を持ち、子どもを育てる時。そんなことを想像しただけで身の毛が弥立った。食育、食育と世間が騒いでいる中で、妙なアンバランスを感じた。想像だが「ここのケーキはカリスマのパティシエが作っているのよ」「やっぱりここのホテルのフランス料理最高ねぇ」なんて子どもにたらふく食べさせていたりするんじゃないか?もう、誰もが止められない世界なのか。
  悲しいかな。商売オンリーであれば、「はいはい」とクライアントの言われる通りの謝恩会の弁当を作ればいい。それだけだ。

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このブログ記事について

このページは、ichikoが2006年11月20日 22:24に書いたブログ記事です。

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吉田いち子
東京麹町生まれ。日本女子大学卒業後、サンケイリビング新聞社に勤務。2004年3月独立。
その後フリーランスで単行本取材・執筆。主婦、母親、会社員の慌しい?人生経験を生かした取材が得意テーマ。強みは「人脈」。名刺交換だけでなくまさに「魂」の交換?を理想にした密度の濃い人脈作りを目指している。2005年10月に首都圏在住の40歳以上のミドル層をターゲットとした生活情報誌『ありか』を創刊。2007年5月に、これまでに培ったノウハウを生かし編集企画・出版プロデュースをメーンとする株式会社『吉田事務所』を設立した。2011年春から豊島区の地域紙『豊島の選択』の取材・編集。

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