ichiko : 春の嵐 |
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お彼岸はぬけるような青空だった。欠かさぬ墓参。最近は報告することも多くなった。
お彼岸の明けと共に、今日は春の雨が降り始めている。強く降りしきる雨。午前9時42分ごろに北陸のほうで震度6強の地震という速報が流れた。石川県輪島も震度6強だったという。七尾、珠洲市と私にとって馴染み深い地方でも強い地震があったようだ。心配な気持ちでニュースに目をこらす。
今日はそんな春の嵐・・・・昔読んだ、ヘルマンヘッセのあの胸に甘酸っぱさで満ちる文体を思い出す。
そうか・・・・彼岸が終るりいよいよ新しい始まり。1月「行く」、2月「逃げる」、3月「去る」と、それこそ、あっという間に過ぎていく3ヶ月。そして4月に入り、ゴールデンウイークまでが2007年のプロローグ。月日は瞬く間に過ぎ去る。
昔勤務していた会社の人の送別会の通知が届いた。身内の死により、これまで長年勤めていた会社を辞め、家業を継がないとならない。自分の意思とは別に、家業というものがある者は何かがあればサラリーマンを中断しないとならない。たとえ居心地か良かろうと悪かろうと、定年まで勤め上げることは無理なのだ。彼もそんな一人だ。彼のお兄さんの死も早すぎる。しかし、その現実を受け止め、進むしかないのだ、彼は。特に男の世界は。
「いつまでも、俺だって今のままじゃないんだ」と噛み締めながら言う、ある団塊の世代の男性の言葉も意味が深い。今のままではいけない、何か別の自分になっていく、いかなくてはならない、そんな願望も感じられた。たとえ家業がなくても、常に「変化」し「変貌」していくということだ。
かくいう私自身も変化し、変貌していく時間の流れの中にいる。その流れは自分では止められるものでなく、寧ろ、自然体で流れていくほうがよい、そんな感じの流れの中にいる。暫し、漂って、その変化、変貌を冷静に見つめていくことも良いのかも知れない。
そうだ。去り行く人は去り、来る人は来る。何も慌てることもない。この春の嵐もじきに静かな雨に変わっていくのだから。
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