ch12.その他 : 牧神の恋・・・・ |
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最近はとても素適な方々にお目にかかることが多い。根付け・・・といっても今はなかなか馴染みがないかも知れないが、例えば現代では、携帯ストラップには根付けの持つ"江戸の粋"が生きていると思う。
おいかわしょうじさんこと空観さんは、そんな根付け彫刻師の方だ。ご本人もなんとも素適な方なのだが、作品がまたいいのだ。風神・雷神・唐獅子・金魚など古典的な作品も多いが、私が魅せられたギリシャ神話からの「牧神の恋」という作品。なんともいえない魅力ある作品だ。
つい欲しくなったのだが「根付けは小さいのにかわいくない値段なんです」とおいかわさんがクスッと笑った。しかし作品製作に没頭する時のエネルギイを考えたら私の中では「非売品!」という声も聞こえてきた。
牧神の恋 H4.8×W4.0
「報われない恋のはじまり」
「ギリシア神話の理想郷アルカディアに暮らす、ヘルメスの不肖の息子、牧神パン。陽気で好色家の彼はニンフ(精霊)のシュリンクスを追いかけ、彼が抱きついた瞬間に彼女は葦に変わりました。彼は彼女を思いながら葦笛(シュリンクス)をいつまでも吹いていたという物語があります。それに想を得て、抱きついた瞬間を作品にしました。
牧神パンは、滑稽味や人間味にあふれ、私たちと等身大の存在として憎めないキャラクターです。いつも自分のわがままに愛ばかりを押し通そうとしています。パンが求めれば求めるほど、シュリンクスのように大切なものは一瞬にして消えてしまう、はかないものです。人を愛することに初めて気づいたパンは、初めて自分の愛が盲目であったことに気づきます。愛は求めるものでなく、与えるものなのでしょう。またこのパンは、多くの芸術家に豊かなインスピレーションを与えました。作曲家ドビュッシーがパンに寄せた曲が「牧神の午後への前奏曲」。また天才ダンサー、ニジンスキーによって「牧神の午後」が演じられました。」
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