ch10.生活 : 人生の煌きの時 |
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今は来年春の新卒採用で大詰めの段階を迎えている時期だという。大手企業などでは内定を出し始める、ゴールデンウイーク前後には一つの山を越えるそうだ。
このところ、急行電車でいろいろ移動していると昨年の就職講座でお世話になったいろいろな学生たちを思い出す。ほんの数日間であったけれど、元気にしているかなあと思う。大学に入学して「わあっ」と感激すると次は就活となる。就職して社会人スタート。そしていよいよこれまでに経験したことの無い経験をする。社会という海原に出て初めてしる事ばかり。人間関係だってそうだ。
定年までつとめあげたとしても、途中で転職、独立したとしても社会で生くには覚悟が必要だ。学生たちのあのあっけらかんとした明るい笑顔が懐かしく思えてきた。どんなことがあっても前進することだ。多分、明るい声で連絡がある筈だ。キラキラと輝く時代。漲る若いパワーは弾け飛ぶ。
人は誰もが公平に漲る若さの中、煌きの時を過ごす。しかし「老い」や「病」に人は勝てない。
親戚のおじが病に倒れた。大学卒業後は某広告代理店でがむしゃらに走りぬいてきた人だ。地位も獲得した。戦後の日本、そして高度成長、バブル全盛、そして崩壊。いろんな時代を驀進してきた。そんな人が病に倒れ、見舞いに行った私を見る目は虚ろだ。いつも独特の毒舌でツッコミ、私たちを大いに楽しませてくれた。ウイスキーとジャズをこよなく愛した人だ。昔は女性にもよくモテて?叔母ともまあ派手なケンカもあったと「今では笑えるエピソード」とたんたんと聞かされたこともある。
兄弟たちは叔父の昔の立場も考えて、仕事にかかわった人々にも連絡したほうがいい、すべきだ、と言う。私はおじのうつろな目を見ながら、それは「反対」だと思った。多分おじの中にある「男の美学」の中にはない・・・そう思ったからだ。でも、口には出せないでいる。
人生の中でキラキラと輝いている時間は気がつくと実に短いものだと思った。与えられた"状態"は何もいう事なく素直に受け入れなくてはならない。
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