社会問題 : 真実


   あの痛ましい事件から9年の月日が経過した。山口県光市の会社員本村洋さんの、妻の弥生さんと娘の夕夏ちゃんが殺害された事件。殺人と強姦致死などの罪に問われた元会社員の差し戻し控訴審判決が広島高裁であり、求刑通り死刑を言い渡された。差し戻し審で元会社員側は殺意や強姦目的を否定する供述を行っていたがすべては遺族の気持ちを逆撫でするものばかりたった。裁判長の、「起訴後、6年半以上経過してから新供述を始めたのは不自然で死刑回避のための虚偽供述で、酌量すべき事情を見いだす術がなくなった」との指摘。
   本村さんは会見で「私が抱いていたすべての疑問を解消してくれた」と述べていた。一つのけじめがついたことだろうとは思うが、この9年間を考えてみればやはり長い闘いだ。あのこぼれる笑顔から当時11ヶ月の娘さんの歳を数えてしまう・・・・。
  法廷で被告の背中を見ながら、どんな気持ちだったかと思うと胸が裂けそうにもなる。そして「今日は、被告が真剣に聞いているか、納得して聞いているかを知るために、背中をじっと見ていた。胸を張って死刑を受けてほしい。自らの命をもって罪を償ってほしい」という言葉は本当に重いものであった。「真実を述べてほしかった」という言葉に被告の生きた時間に取り返しのつかない哀しさを感じた。当時18歳の少年も27歳になっていた、そんな時間の経過さえ哀しく辛いことだ。

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このページは、ichikoが2008年4月22日 19:17に書いたブログ記事です。

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吉田いち子
東京麹町生まれ。日本女子大学卒業後、サンケイリビング新聞社に勤務。2004年3月独立。
その後フリーランスで単行本取材・執筆。主婦、母親、会社員の慌しい?人生経験を生かした取材が得意テーマ。強みは「人脈」。名刺交換だけでなくまさに「魂」の交換?を理想にした密度の濃い人脈作りを目指している。2005年10月に首都圏在住の40歳以上のミドル層をターゲットとした生活情報誌『ありか』を創刊。2007年5月に、これまでに培ったノウハウを生かし編集企画・出版プロデュースをメーンとする株式会社『吉田事務所』を設立した。2011年春から豊島区の地域紙『豊島の選択』の取材・編集。

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