ichiko : 戸籍謄本 |
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日常生活の中で、時としてちょっと気になってしまうことがあるものだ。
以前、ある手続きで取り寄せた戸籍謄本で、ふと自分の出生が気になっていたのだ。"自分が生まれ落ちたところに行ってみたい"。そして"その氏神さまにおまいりにいきたい"と思っていたのだ。しかし、忙殺される日々の中ではなかなか実行できない・・・というよりも後回し後回にしてしまうものなのだ。
ある時、私が所属している神楽坂女声合唱団のメンバーのおひとりである、大学教授の中村さんのお住まいの住所がこの出生地に近いことが分かり、ちょっとお話ししてみた。いきなり、こんな話を聞けば誰もが「何で?」と不思議がるものだが、これまでの気持ちを諄々と語ると流石に中村さんはプロだ。にこにこ笑って「ご案内するわ。うちにも寄ってね」などと言って下さった。
先週の土曜日の午前中。築地駅で待ち合わせをした。早朝から私は妙にわくわくしていた。何もかもが朧気な記憶だ。しかし辿っていけば、今心の底にある何かが分かり、きっと何かが見えてくると思ったからだ。
築地はビル、ビル・・・・。出生した病院の番地を辿っていく。「多分ね、この辺りだと思うわ」と中村さんが言う。私の脳裏に小学校入学前までの記憶が少しずつ甦ってきた。しかし小学生になる前の記憶は実に曖昧だ。いろいろ聞ける両親も今はいない。扁桃腺を腫らせて母に連れられ、K先生のところに来た記憶が一番新しいものとして思い出された。あの日、確か母も診察を受けていたと思う。何やらK先生に相談していたようにも思い出された。もしかしたら、いつもいつも扁桃腺を腫らせている私の事を相談していたのかも知れない。
「氏神さまはどこかしら?」と中村さんに聞くと「多分、波除神社でしょうね」と教えてくれ、そしてまた神社まで案内をしていただいた。今ではすっかりきれいになった聖路加病院の前を通る。祖父が入院していた時は、何となくこわい感じの古めかしい建物だった・・・・。
波除神社に着いた。「災難を除き、波を乗り切る」 波除稲荷様として、災難除・厄除・商売繁盛・工事安全等の御神徳に崇敬が厚いそうだ。お参りをすると、何かほっとした気持ちになった。この日もまた、不思議な時間が過ぎた。
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