ch11.経済 : 何故?働くということ


  最近は大人だけでなく子どもまでが「リーマンショック!」などと口にしている。人との話しの中で、ちょっとの間であるが時々、「本当に去年の今頃はまだ・・・・」という言葉が出る。全く明日が読めないとは今のことか・・・・。
  独立して起業して思ったことは、本当に小規模であっても経営を継続してこられた方というのは本当に凄いと思う。昔から、大手に在職していて、"定年になったら会社でもつくろうかなあ~"なんて時々いう方はいるが、いざその頃になるととても起業など出来ないことが分かってくるようだ。ボールペン一本も会社のものを使用していたサラリーマンには経営者になって苦労しようなど、そうした世界で起こることについて全く未知数であるからだ。


  何もかもが本当に変化をしている。まさに止めようのない変化だ。例えば「うちは百年も続いた老舗だから~」などというのも通用しない。何の効力もない。また「この数十年はずっと景気が良くてね」というのだって「手形がきれなければおしまいだ・・・・何とかしてくれ」ということになる。もう、昔の栄光に酔っている間はない。実に怖い。
  
  「もう一度、就職してサラリーマンになることにした」と友人が言う。彼も大手企業を離れ、起業した人間だが、それこそ、リーマンショック以来というか、経済状況の変貌に太刀打ち出来なくなって、今までのものは通用しなくなったと言う。結局、会社を畳むことになったわけだ。しばし、転職先の給与面で悩んでいたのが、実際にその数字を聞いて「何を言っているんだ!」と強く言ってしまった。ずーっと高給に慣れていたものは、やはり何かが麻痺しているのだ。所謂大手にいる人間は、特に麻痺している。本当に目を覚ませ!と言いたいくらい麻痺している人が多い。
  先般もある男が定年後もその会社に残った場合の給与数字を聞いて「冗談じゃない!」と激高していた。エンドレスで激高していればいいんじゃないか?と私は傍観するように聞いていた。
  ちょっと前に電車の中吊り広告でたしか退職金4000万もらっても、次に300万を稼ぐことも大変だというような見出しがあったが、まだ、こんな実状も分からない人々もいるのも確かである。

  取材の打ち合わせで、少し早めに到着した。喫茶店でコーヒーを飲みながら、資料を整理していると、隣りで若い女性と男性が何か面接のようなことをしている。男性が面接官のようだ。
  
「しかし、すごいねぇ、もう10回も転職しているのか・・・・」と男性。
「これだけ転職していると、いい出会いの種かどうか?分かるんです。根拠はないんですが、自信はあるんです」と女性がきっぱり言う。「?」と思いながら、いつの間にか、資料整理しているのに、左耳がぴくぴくしてきた。
「入社したはいいけど、借金だらけの会社だったり、夜の接待ばかりだったり。酒癖や女癖の悪い人は本当に困りました。ある会社では社長に、ねえ、お金貸してと言われた時は本当に驚きましたよ」と女性。彼女が転職するにはそれだけの理由があったのだなあと思えた。かなりご苦労も経験も積んだわけだ。なかなかのツワモノのようだ。
「結局、お金だお金だという人、儲かる話しとか儲けるのが一番という人が社長の会社は嫌ですね。良くしていきたい、それも社員のために会社を良くしていきたいという社長のもとで仕事がしたいんです」と言う女性の言葉に男性面接官が頷いていた。話しを聞いていると女性は33歳ということだった。しかし、まだその若さで、本当によく分かっているなあ~と感心していると・・・・・・
「ああ、どうもどうも~」と目の前に取材相手がいらっしゃった・・・・・さあさあ、仕事だ。

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このページは、ichikoが2009年2月20日 00:19に書いたブログ記事です。

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プロフィール

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吉田いち子
東京麹町生まれ。日本女子大学卒業後、サンケイリビング新聞社に勤務。2004年3月独立。
その後フリーランスで単行本取材・執筆。主婦、母親、会社員の慌しい?人生経験を生かした取材が得意テーマ。強みは「人脈」。名刺交換だけでなくまさに「魂」の交換?を理想にした密度の濃い人脈作りを目指している。2005年10月に首都圏在住の40歳以上のミドル層をターゲットとした生活情報誌『ありか』を創刊。2007年5月に、これまでに培ったノウハウを生かし編集企画・出版プロデュースをメーンとする株式会社『吉田事務所』を設立した。2011年春から豊島区の地域紙『豊島の選択』の取材・編集。

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