ch11.経済 : 当たり前の「幸せ」 |
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定額給付金についてあれこれ思う。一人1万2000円 (65歳以上及び18歳以下は2万円)が多いとか、少ないとか、使いみちは何ですかなどと、バラエティ番組などで聞いているが、総額の2兆円という数字。財務省の工場見学の時に確か14億円だったか?、詰まれたお札のレプリカを見て触ったことがある。しかし、あの何倍もの金額であることを考えると全く想像も出来ない。
しかし、何とかならなかったのか?という気持ちになる。おばかなアンケートで第一位が「生活費の補填」という。「焼肉食べ放題に行きたい」「ファンヒーターを買いたい」「温泉に行きたーい」なんてもろもろの勝手なお願い以外、別段、アンケートなんていちいちとらなくたって想像出来るだろうが・・・・。景気対策~景気対策~だと聞こえてくるようだ。
しかし、「この1万2000円という定額給付金という「響き」でしばし、人の幸せって何だろうか?と真面目に考えてしまった。
2008年、経済学者の中谷巌さんが「日本の資本主義はなぜ自壊したのか」を出版した。既に6万部を突破しているベストセラーである。中谷さんは自ら「懺悔の書」であるという。
「今にして振り返れば、当時の私はグローバル資本主義や市場至上主義の価値をあまりにもナイーブに信じていた。そして、日本の既得権益の構造、政・官・業の癒着構造を徹底的に壊し、日本経済を欧米流のグローバル・スタンダードに合わせることこそが、日本経済を活性化する処方箋だと信じて疑わなかった」と。
構造改革の急先鋒であった彼は金融恐慌、格差社会、環境破壊、食品汚染、すべての元凶は新自由主義にあったと懺悔する。金儲けばかりを優先して、人間を大切にしてこなかったことを反省する。構造改革そしてアメリカ型市場原理の導入で如何に強烈な副作用を日本が受けたか?である。
あの時代の華々しい金融工学という世界。私は内容については素人ではあるにしても、全く「人間の幸福」を無視した時代に合わないものでしかなかったということは分る。
しかし、例えば、あのヘッジファンド。アジアの金融危機で、どんな悲しい思いをした多くの人間と、想像も出来ない「数字」を空売りしていた異常な狂気の世界。それまでの平穏な当たり前の生活がひっくり返る事は異常な事なのだ。何のための経済かって?。もう一度、心にとめたい。「人々の幸福の為」以外な何があるのか?ということだ。
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