ch04.カルチャー : 庭師の仕事


   米国の日本庭園専門誌「ジャーナル・オブ・ジャパニーズ・ガーデニング」が「2009年日本庭園ランキング」を発表し、初回の2003年から7年連続で「庭園日本一」に選ばれた足立美術館の庭園。「成功の要因は、美術館のスタッフ一人ひとりが毎日参加する、徹底した庭の手入れと維持管理によるところが大きい」と評価されている。
   創設者の足立全康氏は92歳で亡くなるまで、自分の目と足で全国から植栽の松や石を蒐集し、庭造りに情熱を傾けたという。枯山水庭をはじめ、50,000坪にもおよぶ6つの庭園には四季折々の表情を醸し出している。
  勿論、日本庭園にはそれぞれの美しさがあり、それこそ好みというのもある。私自身、大好きな日本庭園も沢山ある。庭園というものでなくても、例えば主を失って、それでも季節ごとに木々の芽の息吹を感じる、そんな庭も好きである。
  この足立美術館の庭園は何とも不思議な感覚に捉われる・・・。日本人そして外国人の美意識や文化というものについて考えさせられる。冷静に冷静にそしてあつい気持ちで鑑賞しながら、自然と人工との見事な調和を感じる庭園なのかも知れない。

  さて、この足立美術館の庭園部には、現在7名の庭師がいるそうである。日々休むことなく庭園の手入れを行い、また木々の手入れの合間をぬって焼いているものに竹炭スプーンがある。これまたひとつひとつ丁寧に作っているという。スプーンの他に炭のオブジェもすべて庭師の手によるものらしい。

竹炭スプーン作りの様子はこちら

  
  ※この足立美術館の創設者・足立全康の自叙伝『庭園日本一 足立美術館をつくった男』が、米国ストーン・ブリッジ・プレス社から英語に翻訳され出版される。(価格は2,700円(US$29.95)米国での発売日予定は2010年4月15日。

書籍名は『My Life in Japanese Art and Gardens- From Entrepreneur to Connoisseur』

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吉田いち子
東京麹町生まれ。日本女子大学卒業後、サンケイリビング新聞社に勤務。2004年3月独立。
その後フリーランスで単行本取材・執筆。主婦、母親、会社員の慌しい?人生経験を生かした取材が得意テーマ。強みは「人脈」。名刺交換だけでなくまさに「魂」の交換?を理想にした密度の濃い人脈作りを目指している。2005年10月に首都圏在住の40歳以上のミドル層をターゲットとした生活情報誌『ありか』を創刊。2007年5月に、これまでに培ったノウハウを生かし編集企画・出版プロデュースをメーンとする株式会社『吉田事務所』を設立した。2011年春から豊島区の地域紙『豊島の選択』の取材・編集。

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