ch10.生活 : 本当に『紙があって、よかった。』 |
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空気、水、そして・・・紙もあって当たり前の生活をしている。こうしたものが考えたこともないだろう。まあ、空気や水はなければ命に関わる。しかしもしかしたら紙はなくても生きていけるんじゃないか?って考えるかも知れない。
ご覧になっただろうか? 昨日8月27日、日本新聞協会の全加盟新聞103社は、新聞協会特別企画として、「紙があって、よかった。」という広告を北海道から沖縄県までの103紙で一斉掲載した。これは、紙の価値を再発見してもらう広告であり、協会加盟全社による同一広告の一斉掲載とは初めての試みであったようだ。
「昔のように広告がとれない」「新聞が売れない」・・・そんな話ばかりを聞く。だからこそ新聞というメディアの媒体力と新聞広告のパワーを改めてアピールするのが狙いであったわけだか。
日本製紙、王子製紙、大王製紙、丸住製紙、中越パルプ工業などの5社を広告主とする今回は、手塚治虫の下書きと野口英世の母の手紙の2つを紹介していた。手塚治虫の『燈台鬼』の下書き。これは紙があったからこそのもの。想像が紙の上に表現された瞬間であろう。そして、野口英世の母、野口シカさんの息子へ会いたい一心で書いた手紙。子供の時に学んだ文字を思い出し思い出して書かれたもの。たどたどしい文字が並ぶ。「おまえの出世には皆たまげた。早く来てくだされ。一生の頼みです」と書かれた手紙を読みながら、胸の奥が熱くなり涙がこぼれる。今は海外でも電子メールで瞬時に伝達できる。しかしそんな現代では全く想像も出来ぬほどの母親の想いがそこにある。
紙の大切さと有難さを改めて気付かされる広告であった。ああ!本当に『紙があって、良かった。』
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