ch12.その他 : ちょっと贅沢な時間 |
||||
某所取材の後。夕方になろうとしているのに蒸し暑さは続いている。日傘をさして目白へ向かってタッタッタッと歩いていく。駅ももうすぐ・・・というところで「古道具坂田」の坂田和實の姿を見かける。「坂田さーん!」と声をかけると、振り向きざまに・・・きょとん。「坂田さーん」と再び声をかけると「ああ・・・」とかえってきた。坂田さんは「芸術新潮」に連載したものを編んだ「ひとりよがりのものさし」【 新潮社 】という実に素晴らしい著者でもある。坂田さんの徹底した美意識で集められた骨董の数々をずっと取材させてほしいと頼んでいるのだが「やめてぇ~やめてぇ~」との一点張り。
「坂田さん、どこへ行くんですか?」と訊ねると「パン屋さん」と。「え?パン?私も連れて行ってください」と頼む。長蛇の列で買えないかも知れない・・・と道中言われ、目白駅を過ぎる。いくつものパン屋さんを過ぎ、一軒の店?の前に到着。看板もない。「あれ・・・今日は空いてるな」と坂田さん。全くパン屋さんとは分からない。通り過ぎてしまいそうだ。小さな小さな文字でようやく『かいじゅう屋』と見える。決して派手ではないが、誠実に手作りされた美味そうなパンが並んでいる。営業日は水曜・金曜・土曜のみとか。徹底している。営業日にめぐり会ったのもラッキーだった。そして、パンにも坂田流美意識?と思いながらいくつかパンをチョイスする。何かかけがえのない贅沢な時間が過ぎた。
カテゴリ
ch12.その他トラックバック(0)
このブログ記事を参照しているブログ一覧: ちょっと贅沢な時間
このブログ記事に対するトラックバックURL: http://210.196.86.5/~blog_mt/cgi-bin/mt/mt-tb.cgi/2989
コメントする