ch12.その他 : ポーが聞こえる・・・ |
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サンケイリビング新聞社勤務時代、一緒に仕事をした佐藤光子さんから一冊の本が届いた。『ボーが聞こえる』という本。「いち子様 いつもなつかしく思い出しています。宿を始めて6年目。早くその様子を書いておかないとあぶないと思い、本を作りました。光子」と手紙が添えられていた。帯にはこの小さな一冊から私の愛する小樽を赤く味わっていただきたい・・・とある。小樽出身の佐藤光子さんは小樽北運河そばの建物を改築し、旅館兼喫茶店「かもめや」を開業している。なんでもレトロな家具を友人とともにそろえてあり、宿泊者には市内を案内するサービスで好評を得ているそうだ。 夫の死を機に四十三歳の時、小樽に戻った・・・。そうか、あの時、43歳だったのかと。ただただ懐かしい。当時の編集部の忙しさといったら尋常ではなかったかも知れない。「あああ~道端で寝ている人がうらやましい~」と朝から言っていた光子さんに原稿締切間際の私は「何言っているのよぉ」と語気を荒げたこともあったな。しかし、今は何もかもが本当に懐かしいかぎり。あの忙しさの中で、まるで青春真っ只中のような楽しさが満ち溢れていた。未だ、当時のスタッフとは深いご縁で、思い出してはいろいろな話が弾む。不思議なくらいドラマチックな日々だったね。
ポーとは、北海製缶小樽工場のサイレン「ポー」の響きのことか。1ページ1ページに光子さんのあのほんわりした雰囲気が詰まっている。そして笑い上戸の光子さん。私が何か言った時「もうやめてやめて」と涙を流していた。あの笑顔が懐かしい。読み進めていけば、あまりの懐かしさで、一気に読み終わってしまうな。
小樽北運河 かもめや
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