ch04.カルチャー : 白い分かれ道

白い分かれ道.gif友人の長井和子さんが経営する青山にあるバー「R40」。開店したばかりの店内はまだ誰も訪れていない。まだまだ静寂。私は大好きな、深いルビイ色の葡萄酒を飲んでいた。しかし、その夜、いつもと違う!と感じたのは壁に飾られた「絵」であった。ふっと目にとまった作品が「白い分かれ道」。はて?作者は一体どこの場所にいるのだろうか?と暫し想像をした。この道の分かれ方が、自分にとってのどちらかを「選択」しなくてはならない、そんな行動の示唆になったのかも知れない。惹かれ続けたその時間は、何とも馥郁と。 絵の作者はJose Onoderazさん。私は絵に出会うと、その時に素直に正直に感じとった自分の感動を大切にする。この世は全て「出会い」から始まると思っているからだ。

「白い分かれ道」Vejer de la Frontera ベへール デ ラ フロンテーラ
アンダルシア州のカディス県にあり,海岸線に近い丘の上に広がる白い村の1つ。ベハールの村もそうですが,この付近には"フロンテーラ"の付く名前の町や村が多い。
(ヘレス デ ラ フロンテーラ,アルコス デ ラ フロンテーラなど)。"フロンテーラ"とは国境を意味し,この辺りはアフリカからイベリア半島に上陸したアラブ軍の最前線基地であり,激戦地であったところからの命名だそうです。村の展望台からの眺めが素晴らしく,海辺の白いバルバテ村の頭越しにアフリカ大陸の広がりまで見ることができます。近年スペインでのマグロ漁は,厳しい漁獲制限で以前ほどではありませんが,かつてこの辺りの漁村は,本マグロを追う日本男児の活躍の拠点にもなっていたそうです。残念ながら,マグロの刺身を出す日本料理店を見つけることはできませんでしたが...。村の中に入ると,広場に続く路地,教会,城跡など村全体に歴史の香りが漂っていて,時を忘れて散策を楽しみました。その中で出会ったのが,「白い分かれ道」と題した路地です。白い壁にうつろう光が影を落とし,その変化を追いかけながらスケッチを進めます。この時間が私にとっての至極の時です。


Jose Onoderaz  ( ホセ・オノデラス)プロフィル
  宮城教育大学美術科で絵画を学ぶ。1986年卒業。1999~2002の3年間マドリッド日本人学校で美術を指導。その3年間にスペインの村に惚れ込み,スケッチと写真撮影を続ける。特に惹かれるのは,小さな村の小路の持つ美しさ。 路地裏の強い光と影のコントラスト,日差しを遮る真っ白な家、花で飾られたテラス,地方で異なる街並み,壁の色など,絵の要素が凝縮された個性的なたくさんの村と出会った。そこで感じたスペイン特有の光と風を画面に表現するのが,絵描きとしての自分の仕事であると決めた。
  それから,10年間,ペンスケッチと透明水彩によるスペインの風景画を描き続けている。2011,3,11の東日本大震災で気仙沼市の親戚の写真館が被災した。2012年8月,復旧した「フォトすがわら」を会場に初めての個展を開催。これを契機に,作品を通して多くの人と関わることに喜びを見出し,そのような発表の場を模索しているという。

チャリティの一環として、ホセさんお手製のハガキはおいてくださるところがあれば募金していただいた方にお好きな物を持って行っていただくという活動もしているそうだ。絵に関してはF4サイズ 38000円(額付)F6サイズ 48000円。売上は諸経費を差し引いて宮城の子供達をサポートする為に寄付をしているという。 

◆問い合わせは
jose.onoderaz@gmail.com

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吉田いち子
東京麹町生まれ。日本女子大学卒業後、サンケイリビング新聞社に勤務。2004年3月独立。
その後フリーランスで単行本取材・執筆。主婦、母親、会社員の慌しい?人生経験を生かした取材が得意テーマ。強みは「人脈」。名刺交換だけでなくまさに「魂」の交換?を理想にした密度の濃い人脈作りを目指している。2005年10月に首都圏在住の40歳以上のミドル層をターゲットとした生活情報誌『ありか』を創刊。2007年5月に、これまでに培ったノウハウを生かし編集企画・出版プロデュースをメーンとする株式会社『吉田事務所』を設立した。2011年春から豊島区の地域紙『豊島の選択』の取材・編集。

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