ch10.生活 : 笑いじわ

   最近ちょっとしたことに気がついた。その人の顔にはその人なりの「思考の形」というのだろうか、一種の癖のようなものが表情となり「しわ」になっていること。勿論、女性にとってはいつまでもツルツルすべすべのお肌でいたいものだが。。。。

   ある夜のパーティーの席。ライトダウンされたサロンに数十人の男女が集まった。異業種交流といえばそれまでだが、会場にはなかなかいろいろな分野で活躍している方々が多く集まった。部屋は結構、薄暗く、「キャンドルがあったら、もっとロマンチックねえ」と誰かが騒いだ。
  遅れて、数人が会場に入ってきた。その中に、きらりと光沢のあるオーガンジーをまとった女性が入ってきた。周囲の男性の関心をひいた。年齢不詳。彼女はにこやかに周囲に会釈しながら、愛想を振りまいていた。暫くして私は隣りの明るい会場に行き、ゆっくりワインを飲むことにした。彼女は私の前に座った。仕事の話などしているうちに、ちょっと恋愛の話に移ったその時、彼女はこれまでに見せなかった表情をした。一瞬のことだった。これが彼女の思考の癖なのか・・・と感じた。独特のしわが、独特の表情を作った。もしかしたら、彼女は気がついていないのだろう。何か、嫌悪のようなものを感じた時に作る表情しわなのかも知れない。その瞬間、私は彼女の年齢がふと分かった気がしたので確かめてみたた。不思議と当たってしまった。
  

  昔の職場に主婦のパートさんが沢山いたことがある。その中の一人に底抜けに明るい女性がいた。お昼休みに時々話す機会も多かった。ジョークばかり飛ばしていると「いち子さん、いやだわぁ。もう、笑いじわが増えちゃうわよ」と彼女は言い、両頬を両手でいつも覆っては笑い転げていた。その人のしわはとても魅力的で、何年かして会って食事をした時も、彼女の表情は全く変わっていなかった。相変わらずの明るさで、ちょっとしたジョークにも昔のように笑った。彼女を見て、しわなんて恐れることないなと思うほど、いい感じだった。
  楽しい時には思いっきり笑って、悲しい時は思いっきり泣く。そして腹がたったら怒りを溜め込まないで怒ってみる。素直な表情で生きることが女性の最高のお化粧なのかも知れない。

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このブログ記事について

このページは、ichikoが2005年8月12日 13:24に書いたブログ記事です。

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プロフィール

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吉田いち子
東京麹町生まれ。日本女子大学卒業後、サンケイリビング新聞社に勤務。2004年3月独立。
その後フリーランスで単行本取材・執筆。主婦、母親、会社員の慌しい?人生経験を生かした取材が得意テーマ。強みは「人脈」。名刺交換だけでなくまさに「魂」の交換?を理想にした密度の濃い人脈作りを目指している。2005年10月に首都圏在住の40歳以上のミドル層をターゲットとした生活情報誌『ありか』を創刊。2007年5月に、これまでに培ったノウハウを生かし編集企画・出版プロデュースをメーンとする株式会社『吉田事務所』を設立した。2011年春から豊島区の地域紙『豊島の選択』の取材・編集。

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