ch10.生活 : 久しぶりの一目惚れ |
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一目惚れをした。初めての美しさ。その場に釘付けになっていた。
名前を見ると「香妃」。
椿は日本の花だ。日本産の品種だけでも2000種以上はあるという。椿に関する話や歌は「古事記」や「万葉集」にも多く登場する。日本人に愛されてきた花だということが分かる。
特に、茶室にふと侘助の姿。この世で一番楚々とした美しさを感じるほど私は好きだ。
昔から椿の花は、不意に花ごと落ちるということから、首を切られた様だと連想され、不吉な花だといわれてもいた。でも、これはこじつけだろう。江戸時代には椿の美しさに多くの武家が椿を愛好し大流行したともある。
冬の冷たい風の吹く原野や山に可憐かつ凛々しく咲いているその姿もいい。11月頃から咲き始めるが最盛期はやはり字のごとく春の2月からか・・・・
そんな季節に「香妃」と出会った。顔を近づけるとふうっと良い香りがした。白い八重の花がうっすら色づいている。胸はときめいて「一鉢、買ってしまおう」と思う。値札を見て気がついた。1万6000円。ああ、ゼロをひとつ見落としていた・・・・
ふふっ・・・・相変わらずのおっちょこちょい。でも冷たい風の吹く季節に、一瞬の出来事だったけど、素敵な出会いをした。
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