ch06.音楽 : うそ |
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銀座でクラブ「姫」を開店し、経営手腕を発揮された作家の山口洋子さん。作詞活動では「噂の女」、「よこはまたそがれ」、「うそ」など数多くのヒット曲を世に出した。その後の作家活動もはじめ、1985年には「演歌の虫」、「老梅」で直木賞を受賞した才能ある方だ。
私は中でも昔から、中条きよしが歌った「うそ」(山口洋子:作詞 平尾昌晃:作曲)という歌が好きだ。
♪折れた煙草の 吸いがらで
あなたの嘘が わかるのよ
誰かいいひとできたのねできたのね
凄い!折れた煙草で分かる男の嘘。それも「おんながあとから泣けるよな「哀しい嘘」のつける男だ。且つ、その男は「ああ花嫁衣装はどうするの?僕は着物が好きだよと」と言う。その上「あああんまり飲んではいけないよ ああ帰りの車も気をつけて ひとりの身体じゃないなんて」とうそうそうそで締めるのだ。
山口さんは男が必死でつく「哀しい嘘」「やさしい嘘」「冷たい嘘」を見抜いてしまうのだ。
人は嘘をつくものだ。もう、子供の頃から今まで、いろんな嘘をついてくる。
いずれにしても嘘をついている時は後ろめたさがあるものだから「こう答えよう」と理論武装してしまう。すると、人の身体というものは不思議なもので不安感や緊張感が自律神経に働いてしまう。自律神経とは例えば心臓の鼓動など自分の意思では全くコントロールできない神経。だから、どんなに頑張ったところで、身体に出てしまう。なんとなく顔の表情や仕草に出てしまうものなのだ。例えば妙に瞬きしたり、早口になったりするのもそうたろう。かなり不自然ということ。
脳で言うと「左脳」は言語や論理的な考え方を司る。「右脳」はひらめきや創造性を司る。つまり左顔=右脳、右顔=左脳ということになる。だから、あんまり悪意もなく、ホッと思いつきの嘘は左顔に出でしまう。また、右顔に出るのは理論武装の嘘 計画的で知性的で・・・ちょっと狡猾で。また言い訳が多くなる。(男の嘘では一冊本が書ける位情報はもっているけれど)
いずれにしても嘘はパーフェクトに誤魔化すことは不可能。計画的な嘘かな?と思ったら相手の右側に座って観察すればいいのだけれど・・・これまた不自然。まあ、「嘘」と分かっても「ふーん」と優しく聞き逃してみるのも思いやりかも知れない。
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