ichiko : 一世紀の歴史に幕 |
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埼玉県深谷市にある渋沢栄一が創業した機械式煉瓦製造工場の日本煉瓦製造が今月で工場を閉めるという。需要の落ち込み。7年の連続赤字。時代の流れなのだろう。創業時に名を連ねるのは初代理事長、利根運河会社の創設役員・池田栄亮、三井物産の増田孝、のちの秩父セメントを創設した諸井恒平などがいる。
ここで作られた煉瓦は、鹿鳴館、東京駅、東大、日銀、迎賓館、法務省旧本館など明治期の多くの西洋建築に用いられている。日本は維新後、欧米に追いつくためには、相手に対等と認められる建造物が必要であった、その時代。当時の近代建築物に必要な煉瓦すら日本には存在しなかったのだ。渋沢栄一は地元深谷で瓦製造に使われている赤土で煉瓦を焼くことに成功したのだ。1世紀の歴史に幕が下りる。
ちょっと時間が出来たら、ゆっくりと深谷市を歩いてみようと思う。
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