ch10.生活 : 先ず、働け。夢と希望は探すものだ |
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とある酒席で「ニートって親の収入が多い家に多いらしいんですよ」と、いう人がいた。まあ、酒も入っているから、こうしたなんの裏づけデータのない会話をあれこれと言ってもしようがないが、確かに、あれこれといろいろな方々からの情報をつらつら頭の中に思い浮かべてみたところ、「うん」とおもわれるところもあった。
ニートは、Not in Education, Employment or Trainingの頭文字をとった用語。単語を一つずつ訳してみても、いつも何か、すっきりしない。学校に通っているわけでも仕事をしているわけでもない。就学準備をしているわけでもない、そんな若者たちをさす言葉であるが、最近では「若者」なんていえない年齢の人々もいる。家族の収入に頼り両親のスネをガリガリとかじりつづける。それほど金に不自由していない。働かない。働こうとしない。親も悩みながらもじっと見つめ、母親は義務のように食事を作り、与え続ける。
「家族を食わすためにね、男は生涯働き続けるんですよ」と言う、少し疲れた横顔が印象的なその人もそんな悩みを胸に抱えていた。赤ん坊の時の息子はさぞかし、可愛かっただろう?。今、抱える辛さは予想などしなかっただろう。何がいけなかったんだろう・・・・・。あなたの内に思い当たることはあるのか?と。
そして、ある者は評論家のように「彼らは未来に対する希望がないからだ。やはり社会が・・・・」と高らかに言う。何かはきちがえているんじゃないか?夢と希望は自ら探すものだ。何億、何十億のストックがあつたとしたって、夢を見たい、希望を持ちたいと言っているだけで何が分かるか?死ぬまでに食いつぶすだけだ。
今、邦画ブームの中、「夢十夜」でブレイクしている文豪・夏目漱石の作品「それから」にも、働くことに対する問答が出てくる。もう100年も前だ。
「何故働かない」
「何故働かないって、そりゃ僕が悪いんじゃない。つまり世の中が悪いのだ」
「君は金に不自由しないから不可ない。生活に困らないから、働く気になれないんだ」
「働くなら、生活以上の働きでなくちゃ名誉にならない」
私は、今日も都会の雑踏の中で、家族のために・・・と働き、働き、そして家路へとむかうお父さん達の姿を見ていた。質については分からないが、日本人は本当に働く民族だと思う。勤勉を美徳とするDNAは誰でもが持っていると信じている。
さて、フランスでは、睡眠不足による自動車事故の防止や仕事の能率向上につなげる狙いということでオフィスでの昼寝制度導入の検討に本格的に乗り出した。しかし、フランスは不思議な国だ。ベルトラン健康相がなぜ就業中の昼寝がないのか。これはタブーではない」と述べ、900億ドルを投じて、睡眠障害の注意喚起キャンペーンを実施するものだ。法定労働時間が週35時間と短い上、夏季休暇も約2カ月と長いフランス。ここへきて、オフィスでの昼寝まで実現したら働く人々からの羨望が一気にくるだろうが。
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