ch10.生活 : 敷居が高い


  テレビ番組やゲームソフトでも最近は日本語ブームだなって感じる。自分自身も、意外と間違ったつかい方をして、ハッ!とすることがよくある。例えば、ちょっとおふざけで言っていたことが、それこそ身についてしまっているようだ。「それって、マジ?」「うけるぅ~」「ひいちゃうねぇ」「かなりヤバいよ」など決して美しい日本語の日常会話ではない。
  今、気になってしようがないつかい方をしている言葉がある。「敷居が高い」という表現だ。
先日も「あのレストランは敷居が高いのよぉ。一人、少なくても1万5000円はいっちゃうわぁ」という会話を聞いて、おやおや・・・・と思った。確かに、高級レストランや料亭に対して「ここはぁ、敷居が高いんです」なんて表現をしている番組レポーターも多い。ちょっと前には「産婦人科は敷居が高いしねぇ」なんて会話も聞いた。

   そもそも敷居とは「門戸の内と外とを区別するために敷いた横木”や“部屋の境の戸・障子・ふすまの下にありあけたてするための溝のついた横木」のことだ。昔、雷親父が烈火の如く怒って「もう、お前なんて勘当だ!二度とうちの敷居はまたがせない!」なんて台詞もあった。また、幼い頃に、大人たちが、妙にこそこそとお喋りしている中で「そうねぇ、困ったわねぇ、あそこの家は敷居が高いしねぇ」その後にまた神妙な顔でこそこそと「どうする」「こうする」と話し込んでいたことがある。「敷居には何かがあるのか?」強く思った記憶がある。本来の「相手に不義理をしたり、面目がないことがあり、そのためにその人の家に行き難くなったり、その人に会い難い状態」という意味は完全になくなってきているのかも知れない。バリアフリー住宅が増えれば、例えば「ママ、敷居ってなあに?」と聞かれた母親が「えっ?敷居って何なの?」なんて会話もあるかもしれない。

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このページは、ichikoが2007年2月 7日 10:01に書いたブログ記事です。

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吉田いち子
東京麹町生まれ。日本女子大学卒業後、サンケイリビング新聞社に勤務。2004年3月独立。
その後フリーランスで単行本取材・執筆。主婦、母親、会社員の慌しい?人生経験を生かした取材が得意テーマ。強みは「人脈」。名刺交換だけでなくまさに「魂」の交換?を理想にした密度の濃い人脈作りを目指している。2005年10月に首都圏在住の40歳以上のミドル層をターゲットとした生活情報誌『ありか』を創刊。2007年5月に、これまでに培ったノウハウを生かし編集企画・出版プロデュースをメーンとする株式会社『吉田事務所』を設立した。2011年春から豊島区の地域紙『豊島の選択』の取材・編集。

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