ch12.その他 : 古典とマンガ文化の素晴らしき融合 |
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英国では日本のマンガやアニメが爆発的な人気をあつめているそうだ。そんな英国で、現代風にアレンジしたシェークスピア作品の漫画版が出版された。まさに古典とマンガの融合。
マンガ・シェークスピアの作品は「ロミオとジュリエット」と「ハムレット」の2つで登場人物をキャラクター化して原作の言葉を抜粋してそのまま台詞として加えている。悲恋もののロミオは現代の東京が舞台でなんと!ヤクザの抗争に巻き込まれた男女の悲哀物語に。英国ではシェークスピアが学校教材として使われているものの、子供には難しすぎる。退屈になりがちな子どもたちに漫画として再現すればいうことが出版の動機らしい。
難解だといわれているものでも、内容は面白く、〔ちょっと不思議なエロティックなところもあるのもいい〕マンガにしたら楽しめそうな題材はいくらでも転がっていると思う。常々思っていたのが釈迢空(折口信夫)の『死者の書』だ。当麻寺に伝わる当麻曼荼羅の伝説に想を得て作られた小説だ。平城京の都の栄える頃、春の彼岸の中日、二上山に日が落ちたとき中将姫は尊い俤びとの姿を見る。非業の死を遂げた大津皇子の亡霊。彷徨う魂。自らも浄土へと誘われていく。時々、読みたくなる一冊だ。
先日も新宿の紀伊国屋書店で「死者の書はどこに?」と訊ねたら、フロアにいた店員さんが10秒くらいで持ってきてくれて感動した。
難解でどこかとっつきにくくても、何かのきっかけで先ずは入り込んで見ることも楽しい。それがマンガ文化なのかも知れない。
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