ch07.味 : 一人の食卓



   大手町は「仕事」というシーンでは本当に慣れ親しんでいる土地だ。しかし、昼時は好きではない。特に地下街の飲食店に、どっとビルからはきだされた人々が慌しい感じで吸い込まれていく光景。時に自分も吸い込まれた時の慌しさ。こんな状態ははっきり嫌なのだ。
  「昼食はサラリーマンの唯一の楽しみでも、大手町では料理よりも「地価」を食べているような気がしてならない」という文章の一節を読み、余りに高い大手町のランチに対し、全くその通り!だと思っている。その上、あの混雑ぶり。折角の楽しみのひとときさえ、ストレスになりそうである・・・・。


  今朝、何を食べたか?昼に何を食べたか?・・・・・そして夕食には?と意外と意識せず、空腹が満たされると忘れていく。時間の波に乗っていくほどに忘却だ。しかし、今日のように、夕方近くに打ち合わせをしながらの昼食、また仲間との深夜近くにとった夕食となると、しっかりと食事の内容だけでなく、そのレストランの給仕の事も何もかもしっかりと記憶してしまう。日ごろ忘れてしまうカロリーさえ計算している。一人でいい加減にささっと済ませたなら、いつものように何を食べたか?など時間と共に、忘却~なのだろう。
  昼のビジネス街は、一人でランチタイムを過ごしているサラリーマンやОLさんも多い。食べている以外は携帯メールを見ながら・・・・そん姿が多い。「この人々は家でも一人で食事をしているのだろうか?」なんて考えることもある。
   そして夜も更けていくと、いろんな事を思う。夫婦別れして、一人になった友人の食卓。連れ合いをなくした友人の食卓。「最近、揚げ物なんてししたことがないの」「これといって食べたいものが見つからない」なんて言葉を聞くと、やはり一人の食事とは本当にさびしいものだと思う。多分、そんな食卓が年齢を問わずこれからは多くなっていくのだろう。

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このページは、ichikoが2008年1月31日 23:41に書いたブログ記事です。

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吉田いち子
東京麹町生まれ。日本女子大学卒業後、サンケイリビング新聞社に勤務。2004年3月独立。
その後フリーランスで単行本取材・執筆。主婦、母親、会社員の慌しい?人生経験を生かした取材が得意テーマ。強みは「人脈」。名刺交換だけでなくまさに「魂」の交換?を理想にした密度の濃い人脈作りを目指している。2005年10月に首都圏在住の40歳以上のミドル層をターゲットとした生活情報誌『ありか』を創刊。2007年5月に、これまでに培ったノウハウを生かし編集企画・出版プロデュースをメーンとする株式会社『吉田事務所』を設立した。2011年春から豊島区の地域紙『豊島の選択』の取材・編集。

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