ch10.生活 : あの時代を過ぎ、今は |
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老舗雑誌「主婦の友」が創刊から91年の歴史に幕をおろした。嘗ては100万部を超える隆盛を誇った雑誌もこんな時代を迎えたのだ。ごく普通に言っている「主婦」という言葉もこの雑誌が定着させた。
「結婚したら主婦の友」というキャッチコピーも浸透していった。1986年の男女雇用機会均等法の施行で、世の中が大きく変貌したのは確か。働く女性の増加もそして経済力を持ち始めた女性たちの未婚率も上昇した。そんな時代背景、つまり1980年代末からじわじわと部数が減っていったという。表紙の体裁がかわり、大きなリニュァルを繰り返しも部数は伸びず、ここ数年は7万部前後だったというではないか。
昔、勤務していたサンケイリビング新聞を思い出す。主婦の事ならおまかせ下さい!と何でもできた時代を過ぎた。かくいう"主婦"の像が実に不明瞭になってきている。創刊時は世界初のとか、いろいろなキャッチでフリーペーパーという響きも実に新鮮であった。何もかもが新鮮なスタート、そして歩みは何ともワクワク感のあるものだ。
今や氾濫するフリーペーパーを横目で見ながら、私は時折、ひとつの時代が去ったんだという気持ちになる。時代とは実に冷酷でもある。いろいろな思い出に浸り涙を流しても、楽しく且つ可笑しい事を思い出しながらくっくっと笑ってみても、時代は過ぎ去った。
だが、当時、新婚家庭で「一円でも安いスーパーへ」と走り回りながら買い物をして家計をあずかり頑張ってきた"主婦"が子育てを終え、定年を迎えたご主人と第二の人生、いや第三の人生を見つけ歩んで行くもそんな輝かしい人々の姿を想像するのもいい。
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