ch12.その他 : ようやく「靖国 YASUKUNI」を観た |
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都内四館と大阪市内一館での公開が決まっていたにもかかわらず、右派や右翼が「反日映画」だと大騒ぎをして、圧力がかかり、突然の上映中止となったドキュメンタリー映画「靖国 YASUKUNI」を都内の某映画館で観た。
朝一番というのに、ええっと驚くほど長蛇の列だ。朝とはいっても、蒸し暑い。汗をぬぐいながらなんでこんなにも多くの人が関心を持つ映画なのか・・・とちょっと溜息。館内も流石に混雑していた。結局、最前列でスクリーンをウワーンと見上げる姿勢となった。
しかし実際は別段大騒ぎするほどの事もないなと思った。ほぼ2時間の上映。刀匠に敬意をもって描かれている。監督をはじめとして制作スタッフの大半は中国人であるということと、台湾の外省人反日活動家高金素梅さん(しかし美しい方だった・・・・)が制作に関わっているだろうことからいろいろな考え、つまり"反日"という思いがうまれるのかも知れないと思える。
だが、靖国神社で崇拝されているのは墓碑や位牌ではなく、神社の聖所に飾られている一本の日本刀だということは、ほとんど知られていない・・・・・ということを私もこの映画で知ることとなった。つまりこのドキュメンタリーのテーマは日本刀であり、その日本刀をめぐる武士道の倫理や神道の哲学、戦争の理念とそれによる国民の精神への影響ということだ。
映画の中で、刀匠の刈谷さんとのやりとりの中、監督の李さんが「休みの時はどんな音楽を聞いているのですか?」という問いに対して刈谷さんが「休みの時の音楽」を「靖国の音楽」と聞き間違いをして、昭和天皇の言葉を集めたテープを取り出したシーンがあるのだが、あれあれ・・・・と思いながらもなかなか面白かった。その中に昭和43年の明治百年記念式典でのお言葉があり、明治維新以来の先人たちからはじまる栄光の歴史こそが日本の歴史認識の問題を考えるときのポイントであるという李さんの考え方。歴史的資料映像を使うラスト10分に全てが凝縮されている映画である・・・と思えた。
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