ch12.その他 : 虚空を睨む |
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テレビの追悼番組で俳優の緒形拳さんを見守ったという大親友という津川雅彦さんが涙ぐみながらの言葉を聞いて、緒形さんが亡くなる直前まで、なんと毅然とした生き方をされたのかと思うと涙が流れた。カッと目を見開いて、虚空を睨み続けたという・・・・何をいう事もなく。
また、女優の万田久子さんは、「いつも何か言いそうで言わず、ただ優しい笑顔で見送ってくれた」というコメントにも緒形さん独特の笑顔が頭に浮かんでくる。何かを言いそうで言わず・・・・多分、虚空を睨み続けた時は、これまでの人生にかかわられた全て方々へ何かを言おうとしたのか?それとも、一体心の中で何を思われたのか?そんな事は分からないが、最期まで、凛とした空気を感じる。本当に理想と思える、そんな人生の最期。
人生に四季があるとするなら、もう遥か昔に「春」は終わった。そして芽吹いて、勢いが何もかも許してくれた「夏」も終わった気がする。「おばさん」と言われても大抵抗しなくなった時にそれを感じた。そして、今は「秋」の気がしている。秋の夕暮れを形容した言葉に「秋の日は釣瓶落とし」というものがある。そう、あっという間に日が暮れてしまう感覚だろう。多分・・・・短いのだ。
自然界の話でも、太陽の高度は低くなっている。だから、特に日の入り後暗さは夏の状態とは異なる。登山とまでいかなくても、夏と秋の山歩きではその差を実感する。
さてさて、人生もまた「秋」を迎えて、これまで、いいやいいやで、実にいい加減に放置してきた事柄を整理整頓していかなければならないと思った。人はそんな事に気付く時期があるものだなぁ。
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