ichiko : 行雲流水の如く |
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昔から何気なく耳にしていた言葉が最近になって心の底から納得できるようになる。これが年月かなと思う。少し前だったら全く別の考えや行動をしていたと思う。
しかし・・・・・「去る者は追わず来るものは拒まず」。多分、ちょっと前の自分なら、「もう一度考えなおせ」と説得し説得し、それでも説得し。最後にどんな言葉を浴びせられようとも説得したのかも知れない。しかし、古人の教えとは、分かる時がくるものなのだね。
現在、私が所属しているチャリティーをメーンに活動している神楽坂女声合唱団は今年で10周年を迎える。2000年の花見の時、料理研究家の小林カツ代さんが「ねえ!私、合唱団をつくろうと思うの。動物たちへのチャリティーを目的とした合唱団!」と言った。毎年クリスマスの時期に行われるチャリティーディナーショーには沢山のお客様が応援にきてくれた。第1回目は多くのテレビ局も当日は取材でごった返した。恵比寿のウエスティンはもう超満員であった。
先般、団員の新年会が行われた。指揮者の辻先生とピアノ指導の黒尾先生を囲み、歓談した。たまたま10人ほどのテーブルであったが、当初の話しになり、私の隣りにいた料理研究家の加藤美恵子さんが「そうか・・・第1回目からの参加は私といっちゃんか・・・」と小さく呟いた。
この10年の間に実に目まぐるしく多くの団員が出入りした。確かに、当初の団員数からは減っている。しかし、来る年も来る年も・・・・そして団長の小林カツ代さんが病に倒れてからも・・・・団員の変わらぬ気持ちと精神力でこの合唱団をもり立ててきた。この活動は人々の人生のある「一点」であってもいいのだろう・・・・そう思えてきた。
団員の一人である弁護士の大谷恭子さんの「今とっても忙しくて練習に参加できませんが、あと数年したらこんな風には仕事ができなくなると思うので、その時にはきっと続けていて良かったと思うようになるのかもしれません」という言葉が私の心に強く残った。まさに、仰る通りである。「その時に続けていて良かったと思う」そんな時期がくることは実に幸せな事であろう。
今後も人は生きている限り、さまさまな事が起こり、さまざまな事に直面する。それでもこうした、団員に巡り合えたという事に感謝なのだね。まさに、禅の言葉にある「雲水」というものなのだろう・・・・。何かが吹っ切れた。
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