ch12.その他 : 花の季節には・・・ |
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ある女性が言う。辞めたくても辞められない事情があって会社に長年勤務してきた。漸く、退職して、思い切って船に乗り三ヶ月が過ぎた時、今までの気持ちは一体何だったのかと思うようになったと。その時に一番自分がしてみたいことは何かと思った時、「ああ!日本の桜が見たい!桜が見たい!」と心の底から思ったという。日本に戻り、満開の桜の下で、暫く涙がとまらなかったと言う。
思えば、人間一人の生き様はどんなに辛苦辛酸を嘗めたとしても、今のこの時点のでの長い長い歴史の中で実に儚いものだ。しかし、そんな儚い中であってもそれなりに人生の中で齢を重ねてみると垣間見るものがあるのかも知れない。たとえ、本質がしかと理解出来なくともよいだろあ。しみじみと良さを味わうことが出来るのならば良いと思える。
暫く、廣澤隆之先生の「唯識論」を学んでいるうちに、急に仏像のことをもっと知りたいと思うようになっている。仏像の魅力とは何だろうと思う。修学旅行の時や、若い時代には決して感じなかったものだろう。こんなにも惹かれる気持ちは。
昨年、東京国立博物館で「国宝 阿修羅展」が開催されたが、来場者はのべで94万人を突破したという。最多の約150万人を動員した1974年「モナ・リザ展」、同じく約129万人の「ツタンカーメン展」(1965年)に次ぐ歴代3位だったというが、こうした時代にあって何か時代の風雪を乗り越えてきた仏像には、圧倒的な歴史の重みが"そこ"にあるのだろう。幾多の修行僧が見届けてきた仏像、そして寺社仏閣を桜の美しい季節に訪れてみるのも日本人ならではのものだと思える。
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