ch12.その他 : 川端康成という天才について |
||||
"十数年ぶりに、川端康成『山の音』を読み、丁度自分も作者と同じ年格好になり、仰ぎ見るような文豪が身近に感じる"というメールを見た。たまたまであるが、ある朗読の会で『不死』という川端康成の小さな作品に出会い、あの文豪がこれほどまでに「老い」を描く技に驚嘆した。
例えば『山の音』の主人公の男性は60歳過ぎという設定。これを10年も下の年齢の時に書き上げているわけで、改めて川端康成の天才的な想像力に驚くばかりだ。その想像力の世界を中学、高校生の時に読んだところで、深い意味など分からぬ筈だ・・・と今になって思う。
卑近な事例でも現に60歳を過ぎいろいろな変化していく諸先輩の言動をみつつ、初めて分ることもある。そして自分もそうした準備段階に入りつつあるということを感じるわけだから。何もかも凡夫は"その時"になって分るものなのかも知れない・・・いや、ずっと分らないまま終わるのかもしれないな。
カテゴリ
ch12.その他トラックバック(0)
このブログ記事を参照しているブログ一覧: 川端康成という天才について
このブログ記事に対するトラックバックURL: http://210.196.86.5/~blog_mt/cgi-bin/mt/mt-tb.cgi/2069
コメントする