ch07.味 : ああ! うまい蕎麦とは |
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食べ物の美味しさが分るのには、ある程度年月が経たないと・・そんな気がする。小学校の低学年の時、よく父は、かんだやぶそばに私を連れて行ってくれた。本当に頻繁に連れて行ってくれたのだが、当時の私としてはそれほどに感動はなかった。父の本当に嬉しそうな笑顔と、店内にこだまする「せいろいちまぁーい」とよくとおる声が今も頭の中に残っている。
蕎麦好きの人のおすすめで、千代田区猿楽町の手打蕎麦切「松翁」へ。水道橋駅から、靖国通りに向かい「錦華通り」をひたすら真っ直ぐ歩く。路地を入るとその店がある。「昼は長蛇の列でなかなか入れないと」友人が言う。しかし夜も満席で何人もの人々が残念そうに帰って行く。なるほど店内は20人?もはいれば満席。注文をうけてから作るコシの強い麺はつなぎなしだという。噛むたびに蕎麦の本来の味が口に広がる。適度な弾力。そしてススッ、ツルッと喉を通っていく。つゆの旨さも「味」とはこういうものかと言うほど完璧だ。友人たちは恰も蟹を食べているかのように??静かだ。その様子もまた可笑しい。天ぷらは揚げたてを何回かに分けて出してくれるのでアツアツだ。好物のフキノトウそしてタラノメと春の味がまた口の中に広がっていく。日本酒も各地の銘酒がずらり。そのラベルを見ているだけでふふふっと嬉しくなる。突き出しの蕎麦味噌から始まり、心地よい時間が過ぎていく。そんな店だ。
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