ch10.生活 : 歴史に学ぶ |
||||
吉村昭『三陸海岸大津波』を読んだ。二回ほど読み返した。明治以後、繰りかえし三陸を大津波の記録である。明治29年6月、明治維新以来、その頃、日本は着実に経済力をのばしつつあった。まだ東北の僻地でしかなかった三陸沿岸地方だが、この6月にはいった頃から夥しい魚群、呆然るほどの大漁だった。そして沿岸一帯の漁村では井戸水が濁り始め、その異変に人々は訝しがるのだ。海が恐るべき姿に変わるときも不審な音を耳にする。ある者は雷鳴かと、そして当時日本が恐れていたのはロシアであったので、日本の軍艦が砲撃演習をしているのかと思う音だった・・・前兆、被害、救援と体験者の貴重な証言の数々。そして昭和8年、35年の津波。兎に角、人の生活は歴史に学ぶものが多いということを再発見する。
カテゴリ
ch10.生活トラックバック(0)
このブログ記事を参照しているブログ一覧: 歴史に学ぶ
このブログ記事に対するトラックバックURL: http://210.196.86.5/~blog_mt/cgi-bin/mt/mt-tb.cgi/2489
コメントする