ch12.その他 : 思い出の腕時計だけでも・・・ |
||||
定年して間もない連れ合いを亡くされた奥様。"人世これから"とも思っていた矢先のこと。その死はあまりのショックで暫く入院をされていた。ご夫婦にはお子さんはなかった。歴史好きのご主人とともに時間に余裕が出来たら奥様とともに旅行でも楽しんでいるのかと・・・友人の私たちは思っていたのだ。
先般、その彼の同僚だった方からメールをいただき、奥様が漸く退院をされた聞いた。しかし、入院している間、何と自宅に泥棒が入ったと聞いた。そして形見の腕時計も盗まれたと聞いた。そのメールのひとつひとつの文字を追いながら、この世には、なんて酷い人間がいるのだろうと思った。胸の奥がぎりぎりと痛んだ。
来月のはじめに彼の本当に身近だった仲間と追悼会を計画していた。その前にこれほどにも辛い話があるとは。金目のもの金目のものと卑しい気持ちで家人のいない家に忍びこんだ者よ。せめて思い出の腕時計だけでも返してほしい。そこには掛け替えのない思い出が詰まっているのだから。
カテゴリ
ch12.その他トラックバック(0)
このブログ記事を参照しているブログ一覧: 思い出の腕時計だけでも・・・
このブログ記事に対するトラックバックURL: http://210.196.86.5/~blog_mt/cgi-bin/mt/mt-tb.cgi/2694
コメントする