社会問題 : 13年という歳月 |
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あの事件発生から13年。妻と長女を奪われた本村洋さんは35歳になった。「早く被告を社会に出して私の手の届くところにおいてほしい。私がこの手で殺します」と言ったあの本村さんの表情が思い出される。日常で「殺す」などとは口には出さない言葉。でも本村さんの気持ちは十分に理解できた。13年は長い。「万死に値する」と厳しい言葉を続けてきた本村さん。当時まだ赤ちゃんだった夕夏ちゃんは13歳になっていたのか・・・と想像すると本当に胸の奥がきりきりと痛む。「匿名はおかしい」と指摘し続けてきた。「元少年」から実名報道へ。そして死刑の確定。1983年以降では初めての判決。本村さんのかわらぬ毅然とした考え方。本村さんが言うように時間が一番の相談相手だったのだろう。
当時、在任中だった故小渕恵三首相がこの光市の事件を知り、事件被害者が置かれている状況について、苦慮されていた。衆院に「犯罪被害者等の保護を図るための刑事手続に付随する措置に関する法律案(閣法)」が提出され、この法案が参議院は5月21日に通った。しかし、予想だにしなかった小渕首相の緊急入、ご逝去。首相が亡くなられた後に法案は成立。しかし、こうした真摯な首相の"眼"と"想い"があったからこそ、進んでいったものだ。自分の死などは想像もしていなかったであろう小渕さん。しかし、総理であり、且つ、一人の人間としての強い信念と想い。そのタイミングがまた複雑な気持ちになる。
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