地下鉄に乗っていた。背後から若者の会話が聞こえてくる。こんな時、私はつい外国語を聞くような楽しさで若者言葉を聞いてしまうのだ。
男「ありえないよぉ~。こっち先輩なんだからさぁ~」
女「まじ?」
男「かなり(イントネーションが変?) やばいんだよっ」
女「ため?」
男「けーご使えってーの。ためじゃないしぃ」
女「まじ?ありえなくない?」

独特のイントネーションをお伝えできないのが残念だけれど。
どうも男性の勤務先にアルバイトの男性やってきたが、先輩である彼に対して敬語をつかわないので、気分が悪いことを彼女に話しているようだ。しかし女性の口からは殆ど会話らしいコトバは聞かれることなく、ずっと「まじ?」「ため?」「ありえなくない?」だけだった。
駅に着いた時、男性に「どんな敬語を使ってほしかったの?」とちょっと質問をしてみたいくなったが。。。。

「ため」とは,もともとは賭博用語。二つのさいころを投げて、同じ数がそろうことを「タメ」ということから「五分五分」という意で不良少年?古い?が転用し,「同年齢,同級生」の意味となったもので1980 年代には一般の若者にも広まったといわれる。つまり「ため」にしても「やばい」にしても、あまり品のある言葉ではないっていうこと。
では「まじ」は?
これも、本来の意味とはニュアンスが異なってきている代表例。そもそも「まじめ」に由来する「まじ」という短縮語。「まじめ」から「まじ」という短縮形になった段階ではまだ「真剣」という原義を残していたようだが若者達が「まじ?」「まじっすか?」と頻繁に使うようになってからどうも「本気」という意味に変化。そしていまや、「本当」の意味になってしまった!
 それと、よく女子学生の会話で頻繁に出てくる「きもい」「きしょい」などの新形容詞。
これらは否定的な意味合いを持つ語が大半だ。彼らは日常で頻繁に使う単語は短縮形にしないと「めんどい」ということらしいが、この原則からいうと、気分がいい、気持ちいいといった単語の短縮形はないのだろうか?ふと、考えてみたが、これは短縮形はないようだ。
なんといっても超インパクトがあったのは、2004年の世相を反映した言葉を選ぶ恒例の「流行語大賞」で見事大賞に輝いた、アテネ五輪の平泳ぎで2冠に輝いた北島康介選手の「チョー気持ちいい」。若者言葉の典型である「チョー」は今は「程度が甚だしい様子」を強調しているが、今後はまた派生した使い方が出現してくるのだろう。
「美しい日本語」を大切にしよう、したいと考えるとまじ、かなり、チョー複雑な心境だ。

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このブログ記事について

このページは、ichikoが2004年12月17日 12:50に書いたブログ記事です。

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プロフィール

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吉田いち子
東京麹町生まれ。日本女子大学卒業後、サンケイリビング新聞社に勤務。2004年3月独立。
その後フリーランスで単行本取材・執筆。主婦、母親、会社員の慌しい?人生経験を生かした取材が得意テーマ。強みは「人脈」。名刺交換だけでなくまさに「魂」の交換?を理想にした密度の濃い人脈作りを目指している。2005年10月に首都圏在住の40歳以上のミドル層をターゲットとした生活情報誌『ありか』を創刊。2007年5月に、これまでに培ったノウハウを生かし編集企画・出版プロデュースをメーンとする株式会社『吉田事務所』を設立した。2011年春から豊島区の地域紙『豊島の選択』の取材・編集。

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