自宅の近所に気になる店がある。ある集合住宅の1階の部分に4店舗あり、そこの一つで、今はクローズになっている。目の前には小さな公園があって、夏には盆踊り大会で賑わいを見せる。JRの某駅のすぐ近く。本当に改札口から1分くらいの立地。というのに、ここに入ったお店は開店してから1年もたないのだ。本当に不思議でしようがなかった。 初めて訪れたのは5年ほど前。それから3~4回ほど店舗が出たり入ったり。熱心で誠実な店長ばかりだった。男前の店長も多かった。夏になるとアルバイトの若い女性が愛想よく生ビールの無料チケットなど配ったり、いろいろ工夫をしていた。料理も美味しく、そして安い。勿論、目の前の公園で盆踊り大会の時は店内や店の前にせりだしたデッキには沢山のお客さんでてんやわんわ。というのに・・・・・暫くすると「実は閉めることになったんですよ」と店長がぽつりと呟くのだ。その度に何度も寂しい気持ちになった。隣りは薬局、呉服屋、手芸店とこの3店舗は変わらないのに、何故?
 ある日、風水研究家の安藤成龍先生が広島から東京にいらっしゃった時、お茶を飲みながら、この店舗のことを詳しく話した。中小企業診断士でもある安藤先生は地元広島で薬膳の店とレストランをコラボし大成功している。そのほかにも繁盛店を沢山出している人だ。
 先生は暫く考えた後に安藤先生は「その店舗の横にある坂からのぼる気が、スッとすり抜けていくようですね」という。確かに、その店舗の横にはなだらかな桜並木の坂があり、春には桜が見事に咲く。私はその桜をみながら坂道をゆっくりと歩くのが好きだ。
 「じゃあ、そこに入る店は気が入らないでいつも閉店してしまうんですか?!」と聞くと先生はこくんと頷いた。大繁盛・・・というより、せめて1年以上開店させる方法はないのだろうか?
 「例えばね、店の前に水を流して気を循環させればいいんですよ」といい「店内の内装にかける費用をもっと風水診断にかければいいと思いますよ」と続けた。
 先週の休みの日も、私はこの店を見ていた。今も看板ははがされたままで、はらはらと散る落ち葉が哀しい。年を越し、来年に、もし店がオープンしたら、ちょっとお節介だけれど風水の話でもそこの店長に話そうかな・・・なんて思ってしまう。
 お気に入りの店はいつもオープンしていて、明るい笑い声が聞こえたらいい。仕事帰りに飲む一杯目のビールがほしい。

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コメント(1)

不思議。でも、なんだか素敵なお話ですね。雰囲気のある映画を観たような読後感でした。
風水ってあまり知らないのですが、こういうお話を聞くと「そうなのかもしれない・・・」って思えてきます。(^^)
私もお店を出すときは(そんなときがあるかな?)絶対風水診断を頼もうっと。

さて、いち子さん、重版だそうですねっ!
おめでとうございます~~~っ!!!
本当にすごいことですよね。
猛暑の中、取材に駆け回ったとおっしゃっていましたが、頑張った甲斐があったというものですね。
私もメールを拝見してとっても嬉しかったです♪

なかなか書店へ行けずにいましたが、さっきアマゾンで注文!届くのが楽しみです♪
横浜にも早く行きたいし、いち子さんにもまたお会いしたいです。

めいっぱい慌しいシーズンですが、どうぞおからだご自愛なさってくださいね~。

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このブログ記事について

このページは、ichikoが2004年12月20日 11:08に書いたブログ記事です。

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プロフィール

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吉田いち子
東京麹町生まれ。日本女子大学卒業後、サンケイリビング新聞社に勤務。2004年3月独立。
その後フリーランスで単行本取材・執筆。主婦、母親、会社員の慌しい?人生経験を生かした取材が得意テーマ。強みは「人脈」。名刺交換だけでなくまさに「魂」の交換?を理想にした密度の濃い人脈作りを目指している。2005年10月に首都圏在住の40歳以上のミドル層をターゲットとした生活情報誌『ありか』を創刊。2007年5月に、これまでに培ったノウハウを生かし編集企画・出版プロデュースをメーンとする株式会社『吉田事務所』を設立した。2011年春から豊島区の地域紙『豊島の選択』の取材・編集。

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