ch10.生活 : 冬がきて、そして雪解けまで・・・・もう少し |
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新潟中越地震から2ヶ月が経った。夫が先日、地震の調査から戻ってきて、惨状のすごさを伝えてくれた。新聞の活字から、テレビで放映されている画面からは伝わらないものが「現場」にはあることを。
山古志村は今月の17日朝から雪でうっすら雪化粧した。山沿いでは積雪となった。被災地には今月末には本格的に雪が積もり、極寒の季節を迎える。
地震直後、そして暫くの間、あまりの臭いに息ができないほどであったという。特に被害の大きかった山古志村は言葉が出ないほどの状態であったという。家族同様のウシや鯉たちが命を失い、土砂の中に埋まって、腐敗したのだろうか。本当に自然の脅威には、太刀打ちできない人間の力のなさを感じ、涙がこぼれる。
村への道路の復旧は来年春の雪解けまで待って欲しいと村の人々が願っていることも聞いた。「何故って?村へ入り、家財道具などを盗む人がいるから・・・」。
いつの世も不埒な者がいるという現実・・・・・。
「嫁にきた時から、この村が好きだったから・・・」と80過ぎのおばあちゃんが目を潤ませながらテレビのマイクに向かって話している。
「山古志の季節は、人々の暮らしを映しています。春・木々の芽吹きと共に迎える、目のさめるような新緑夏・斜面には、青々と輝く無数の小さな棚田、秋・紅葉に溶け込むような秋の実り、冬・真っ白な、白銀の世界に自然に逆らわず、しかも屈することなく、 その厳しさと豊かな恵みを受け入れながら、 人々は自然と共に生きてきました」と地震前の美しい山古志村の光景が映る。美しい棚田、そして闘牛にわきたつ村の人々の笑顔と歓喜の声が聞こえてくる。
そんな自然の美しさ・逞しさの中で、このおばあちゃんや村の人たちは暮らしてきたのだろう。一日も早く、もう一度「闘牛と錦鯉のむら」の村が復活するまでにはかなりの時間はかかるだろうがその日をせつに祈る。
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