ch10.生活 : 主婦が輝く時 |
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娘がケーキを買ってきた。「お母さん、お仕事頑張っているから、後でお茶しようね!」という。テーブルの上にはチョコレートケーキがある。なんか照れくさいやら嬉しいやら。これまで、勉強を頑張っている子供にケーキを買ってくるとことはあったけれど、こんな嬉しいこともあるものなのだと思った。
今年の1月から某地域新聞の営業と編集の仕事をしている。創刊して今年で57年になる地域に根ざした新聞だ。そこで一緒に仕事をしているMさんはまだ小さい子供を持つママさんだ。保育園に子供を預けて、颯爽と自転車で風をきって仕事場にくるパワフルな女性だ。
彼女と話しているうちに、今から20年以上前、自分も二人の子供を保育園に預けて、仕事し家庭を両立させるために頑張ってきた日々を思い出した。
毎日の検温と食事、健康状態をチェックしてノートに記入する。布オムツが5組、着替え、お布団カバーと月曜日の朝などは、とにかく大荷物で出かける。時にはむずかる子供に苛苛したことも度々だ。熱っぽい時は病院へ行かなくてはと思いながらも、気になる仕事の山。そんな時間を過ごしてきた。
父が脳内出血で倒れた日。暫く、病院へつめなくてはならない日も続いた。その時、長女が小学校4年生になっていた。保育園には4年生から保護者の代わりにお迎えにいくことができた。初めて、長女に自転車を買ってあげた。その自転車に乗って小学校からもどると妹を保育園に私の代わりに迎えに行ってくれた。今でも長女は「私は育ての母よ」と冗談まじりに、いやかなり本気で妹に言う。そんな二人も元気にすくすくと大きく成長した。
思い出せば、余りにハードで、一分も戻りたくない、そんな時もあったが、今になると過ぎた時間、子供が小さかったころの笑い声や泣き声などちょっとしたことがなんとも懐かしい。
私の友人に、主婦のための社会参加を目的として、「アイムパーソナルカレッジ」というスクールを立ち上げた女性がいる。その中で何人の女性たちが「社会」とかかわり、変化してきたことか。今、親しくしている女性達も何人もそこの卒業生だ。時々、何人かと食事をしたりするが、家事、育児に過ごしていた自分の中でどう変化していったか彼女たちは熱く語るのだ。
そんな姿を見ると、心からエールをおくりたくなる。そして、私は必ず「未来の自分をイメージしようよ」と伝える。みんなも自分もいつまでも輝いていたいから。「今」も大切だけど「未来」も語りたいというイメージを描きながら、私たちは会って、大いに語り合うのだ。
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