六星占術で有名な細木数子さんのテレビ番組を見たことがあるが、その中でタレントの「表年表、裏年表」というコーナーがあり、司会のくりーむしちゅーが面白可笑しく紹介する。表年表はいわば、華やかな経歴。「見て!見て!」という感じかな。でも「裏年表」は「えっ!知らなかった・・・・・」とタレントの別の顔が紹介されてしまう。
  一般人にも「表」もあれば「裏」もある。昔、流行った「肖像画」やまだ需要のある「自分史」なども「見て見て」の世界、いわば「表年表」。大概の人は、「これがとりあえず私の輝かしいプロフィルです」とこんな世界で付き合っているわけだが、たまにしこたま酒を飲んだ勢いでとか、深い悩みのどつぼにズッポリはまっている時に「裏」が見え隠れするのだ。でも、殆どは、それこそ人に知らせず「墓場まで持っていく、いってしまう」裏年表。

  博報堂生活研究所が2005年版生活予報「『灰をまけ! ぬけがけ願望をプッシュせよ!』を発表した。この「灰をまけ!」というコトバにハッとひきつれられた。
 要旨はこうだ。バブル崩壊以降、お互いを牽制し合うような姿勢を取りつづけてきた生活者。高価な支出や、新しいビジネス挑戦など成金的だ!バブル時代的な勘違い!という目で見られてきたが、「生活者はそろそろ自分の夢を求め出してもいいのではないかと考え始めている。育んできた小さな願望の芽を、小さくてもいいから花として咲かせてみたいと思っている。その小さな花を咲かせるためには、花を咲かせるための花咲爺さんの灰のようなものが求める」というイメージを「灰をまけ!」という言葉にしたという。そして、その生活者のしがらみから半歩踏み出そうという願望を敢えて「ぬけがけ願望」と名づけている。

  また、ここの所長である関沢英彦さんのエッセー集『生活という速度』の中で、肩の力を抜いた時間の過ごし方が、「生活観察のプロ」の視点でわかりやすく紹介している。あまりに現代社会は 高速で過ぎ去る。もっと、ゆったりとした日常生活のリズムを取り戻そうという。
小さな車を懸命に回す「ハツカネズミ」の生活をやめ、何もしない「時速ゼロの自由」の楽しさを味わおうじゃないかと説き、中高年の男性たちには、「遊ぶこと」を勧める。偶然に身を任せた旅行などがそのいい事例だ。 「だれもがゆっくりと生きたいと思いながら、忙しさを理由に『できない』と言う。ゆとりのない人こそ、無理やり5分でも10分でも作って、自分の内面を見つめ直すこと。そう関沢さんはメッセージを送るのだ。 毎日毎日 ビジネスパーソンは、仕事の場面で仕事の成果を形で示すために休みの時間にまで持ち込んであくせくする。「何かしなければ」と追いまくられ暮らし、感受性を殺してしまう。
  
 
  さあ、肩の力を抜いて生きよう。今の自分のしがらみから、ちょっと「ぬけがけ」してみてもいい。たまに、気のおけない仲間に話して「ふふふっ」と笑ってもらえるウラ年表を人生の中に残していったっていいさ。それに「墓場まで」の秘密の一つや二つ・・・・あってもいいかも。

  

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このブログ記事について

このページは、ichikoが2005年1月29日 18:02に書いたブログ記事です。

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吉田いち子
東京麹町生まれ。日本女子大学卒業後、サンケイリビング新聞社に勤務。2004年3月独立。
その後フリーランスで単行本取材・執筆。主婦、母親、会社員の慌しい?人生経験を生かした取材が得意テーマ。強みは「人脈」。名刺交換だけでなくまさに「魂」の交換?を理想にした密度の濃い人脈作りを目指している。2005年10月に首都圏在住の40歳以上のミドル層をターゲットとした生活情報誌『ありか』を創刊。2007年5月に、これまでに培ったノウハウを生かし編集企画・出版プロデュースをメーンとする株式会社『吉田事務所』を設立した。2011年春から豊島区の地域紙『豊島の選択』の取材・編集。

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