ichiko : 百万ドル以上の幸せ |
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「アカデミー賞を受賞した作品だよ」と聞いていた。今絶賛上映中と月並みのコピーが流れている。女性ボクサーを主人公にしたクリント・イーストウッド監督・主演の映画「ミリオンダラー・ベビー」を観た。逞しいベビー役・マギーをヒラリー・スワンクが、引退したボクシングジム経営者をモーガン・フリーマンが渋く演じている。
フランキー(クリント・イーストウッド)がマギーのトレーナーになるシーンの台本は、4ページにものぼり、通常のシーンに比べ長いものだったという。見終わった時、マギーが幸福感を掴み、輝きだしたきっかけのシーンだ。 映画の70%は脚本で決まる」と喝破したのは黒澤明だが、映画とは脚本次第かとつくづく思う
あまりにハリウッド的ではない結末・・・というより、真の人との幸福とは一体何?と思い、私は暫くの間、席をたつことが出来なかった。これは「不条理」なのか?涙がこぼれた。しかし、これは「泣きたい」人のための映画では決してない。そしてこれから観たい人のために多くは書かない。
結果しか評価しない現代の社会で生きていると「成果・結果主義」になっている。精神の幸福は得ることができないと思ったとしても、結果つまりお金に換わる世界が重要視される。そういう意味で、この映画のタイトルが何故「ミリオンダラー・ベイビー」なのかも見えてくる。貧困、安楽死、欲望、血縁・・・一つ一つに自分の気持がぶつかる。そしてほっと「絆」という言葉が残った。
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