ch10.生活 : 堕落 |
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久しぶりに早めに帰宅した。ピンポーンと玄関のチャイムがなった。私はインターホンをとった。「はい?」というとなにやら向こうでごちゃごちゃと言っている。元気な宅配便のお兄さんではないようだ。
「何か?」と聞き返すと「ああ、吉田さん、A新聞ですう」と妙に馴れ馴れしい。「何のご用ですか?」と聞くと「ビール券、商品券、なんでもつけますからぁ」という。「結構です」と言い返す。すると、耳を疑った。「一万円つけますからぁ」と。
なんということか。新聞がどう、作られ、どう営業マンが動き、どう、販売部が努力して売っていくかを知っているだけに哀しすぎる。なんてこと、堕落の一言に尽きる。全くかけ離れた世界で「売られていく」新聞。紙切れじゃないんだから。売っていく、末端の人々にも、教えて欲しい。もう、死語なのか?社会の木鐸とは?
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