ichiko : 心躍るワクワク感をもう一度 |
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大手の百貨店四社の2005年8月中間期連結決算が出揃っても中でも大丸が2年ぶりの増収となったそうだ。本社で一括して商品を仕入れ、消費者のトレンドを視野に入れた計画的な仕入れ方法を実施した・・・・というが、これまで「取引先と計画も作らず話し合いもせず」というコメントが気にかかる。これまで、消費者のことを第一に考えたらマーケティングリサーチをして商品構成をするというのは当たり前の話ではないのだろうか?
また、夏のクールビズ効果も一役買い、大丸では紳士服の売り上げが前年同期比2・8%増に。また高島屋では紳士服が同0・5%増えたという。「テーマがあれば商品は動くと感じた」?「消費者ニーズを見据え、顧客の買い物状況に応じて、販売戦略を」などもう、ずっとずっと前から実践していることであったと思うが。
今から何十年も前のこと。当時小学生くらいだった頃、「百貨店」の響きには凄い魅力があった。それこそ「何でも揃うところ」であったからだ。そして、7階か8階あたりにあった百貨店の「大食堂」。この頃にはあのお子様ランチも健在だった。そこは、子どもがいても、大人がいても、高齢者がいても、そこには顧客満足させるメニューが揃っていた。ずらりと。その頃は「天下の~」がついていた三越も今は連結決算の業績予想を下方修正している。あの包装紙がステイタスであった時代があったことを思い出してほしい。と私は感じている。
実は、私は天気の良い日には時々「百貨店」の屋上に行く。夏のビヤガーデンの名残りか、整理整頓されていない廃墟のようになっているところもある。浮かない顔をしている店員の前には水槽の中で金魚が泳いでいたり。決してメーンの売り場ではない屋上。のんびりと缶コーヒーを飲んでいる初老の紳士。遊具の間をかけまわる孫の後をおうおばあちゃんの姿。休日のイベントで疲れて息抜きにきたような背広姿の男性。日溜りでついうとうとと眠ってしまった中年の婦人・・・・・そこには、それぞれの百貨店の日常の素顔があることに気づく。
もう一度、社長たちはお客に混じって地下の食品売り場や、食堂に潜入するなりして本当に顧客がどんな買い物をして何を望んでいるのか、見つめて欲しい。
ユニクロ銀座店の店長が、「銀座」店に手を挙げた理由。それは奥さんからの話。いじめられっ子がいじめっ子に対して、最後に言いはなった言葉。
「何よ!あんたなんて、上から下までユニクロを着ているじゃない!」。
彼はこの話を聞いて、まさに奮起したのだ。「これじゃいけない、このままじゃいけない!」と。
人というものはこれまでの環境、ブランドなどに甘んじていては必ずや堕落する。
なんでも揃う?はずの百貨店。胡坐をかかず、名前に驕らず、もう一度私たち消費者にワクワク感を導き出すサムシングを出す努力をしていってほしい。
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