ichiko : そんな歳になった |
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「みんな、そんな年齢になったんだよ・・・」と昨夜、静かに言われた。そうか・・そんな歳なのか?・・・。
20代後半から、一緒に仕事をしてきた広告代理店の方が亡くなった。癌だった。昨年、定年退職したばかりという。暫くはあまり会えずに、独立してからは尚更にお目にかかることも無かった。しかし、「明日が通夜だよ」と聞かされた。本当に吃驚して、「なんいうことか」と声も出なかった。しかし、このブログに書くことは親しい人が亡くなって悲しい思いの吐露ばかりだ。会えずにというか会う努力もせず、皆はいつまでも元気だと考えて、日々だだ慌しい日々を漫然と送っていることが虚しい。
バブルの予兆か、あの頃は何か社会に漲るエネルギーがあった。そんな時、ちょっと傲慢な私は仕事の波に乗りかかり始めていた。年齢を換算してみたら、彼はまだ若かったのだ。独身でいたので、プレゼンや取材の後は、お茶を飲みながら私は彼を鹹かった。「いちこさん、聞いてくださいよぉ」と彼の目が真剣に何かを訴える。好きな女性がいる、でも結婚まではねと言う。「何故?」と私はいつも切り返した。何でも挑戦してみなけりゃ分からないでしょと。「語気がつよいんだからぁ、いつも」と言われた。でも、何か仕事を無事遂行した中でのじゃれあいに近い感覚。まあ、いいよね、ふっと一日の中で、その人のことを思い浮かべてしまったら・・・・結婚すればいいよ。そんな、いい加減なことを言っては笑いあった。
私はいつも「恋愛相談所」の所長だった・・・・・
「人生は美しい!生きることは素晴らしい!君はいつも病気のことばかり考えて、暗く、うつむいている。それじゃあ、いけない。人間には「死ぬ」ことと同じくらい、避けられないことがあるんだ。それは「生きる」ことだよ!といったのはチェールズ・チャプリン。
でも・・・・哀しいかな!人それぞれに与えられた、人生の時間。その人ひとりひとりが違う、そんな「生きる時間」
どんなに辛くても認めていかなくてはいけない。やはり、そんな歳になったのだ。
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