ch10.生活 : バラの香りに包まれた昼下がり |
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このところ雨降りの日が続く。先日、以前から「バラ園を見に来てね」と言われていたものの、なかなかお伺いすることができなかった今泉壇さんのお宅にお邪魔した。今、事務所が阿佐ヶ谷にあるもので、今泉さんのお宅が近くなった。仕事を通じて親しくしていただいている今泉さんは兎に角、活動的で魅力のある女性。ガーデンには、丹精こめて育てたバラが本当に咲き乱れていた。薔薇というよりは、やはり「バラ」という感じで。
その日も雨降りだったので、向かう途中は「どうかなぁ?」と心配していたが、雨に濡れるバラたちも素敵だ。ようこそ・・・という声が聞こえるように出迎えてくれる。
「このバラの香り、いいでしょ!」と今泉さんが差し出したのはヘリテージという、なんとも艶っぽいイングリッシュローズ。2003 秋 遺産という意味の名を持つらしい。ふっくらとした柔らかい 印象。うっとりする気品のある甘い香りがする。どれだけ愛情を注いだか、じんと感じ、顔が思わずほころんでしまう。
ローズウオーターをはじめ、バラの花びらをウオツカに入れてみたり。閃きは全てあっという間に何かの形にかえてしまう今泉さん。
「今度はね、バラのお寿司を考えたのよ」と笑っている。寿司飯にバラの花びらをはらはらと?・・・・と思ったところ、なんと花びらを干瓢に見立てるという。「実はね、食感が一緒なのよ」といわれ差し出された味付けされたバラの花びらはまさに「干瓢」そのものだ。これで、巻き寿司を作っちゃおうというのだから凄いアイデアウーマンだ。
バラの香り、そしてローズティーと底抜けに明るい今泉さんの笑い声。ある日の昼下がり。こんな一日一日が幸せなのだ。
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