ch10.生活 : セイヤ!ソイヤ!セイヤ!ソイヤ! |
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思い出してみても、昔から「祭り」が好きだった。あの、掛け声とともに「空気」が踊りだす、あの感覚がどうにもこうにも好きなのだ。
今年もまた、見ごたえたっぷり!浅草神社の祭礼として行われる江戸三大祭の一つ「三社祭り」が昨日、無事終わった。浅草神社の氏子町会四十四ケ町の神輿勢揃いが土曜日午後1時に浅草寺境内にて行われ、浅草が祭り一色に染まる。神社神輿の渡御(本社神輿三体 一之宮・二之宮・三之宮)は日曜日午前6時浅草神社境内から担ぎ出され、それぞれ三方面に別れ氏子各町会を練り歩く。
本社の神輿「一之宮・二之宮・三ノ宮」の三体はまさに“祭りの主役”だ。実はこれに近づくのも容易ではない。担がせていただければそれだけで!というぐらい凄い神輿なのだ。三体とも1000㎏以上あり、担ぎ手は肩に瘤が出来るくらいだという。あの“セイヤ!ソイヤ!”という掛け声。見ている人々も大いに盛り上がる。
大概の人が「あっ!神輿だ」と言って見ているのは大概が親交町会の神輿ということが多いのだ。主役の神輿三体ときたら・・・・そりゃ本当に凄いのだ。見物でもといってボンヤリしていたら怪我をする。
昨夜、日曜日。午後七時をまわったころ、私は観音裏にいた。「空気」が変わってきた。何かうねりを感じるのだ。いよいよ本社神輿の渡御のはじまりだ。
うねりの中で、怒涛の如くに本社神輿が現れた。気がついたとき、どうにも身動きできないほど激しい波にのみこまれてしまっていた。男たちの熱気と湿った汗の中。耳を劈くような声。「兄貴の前につけっー兄貴の前につけーっ」と激しく野太い声が響いた。「えっ?何これ?」それと同時に自分ではどうすることも出来ない力の渦の中で!うわっっっっっー。必死で電信柱の裏に逃げ込んだ。しばし、興奮がおさまらない。カラダが火照って溶けそうだ。マグマのような熱さが馬道通りのほうに抜けていった。ああ!
本社神輿の渡御は凄いのです。皆さんも十分にお気をつけてください。
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