「おいおい、伊勢屋の小僧さん、そんな乱暴な水のまきかたがあるものか。通行人が迷惑するじゃあないか。八百屋さんも困るねえ。もうすこし天秤棒を軒下に片付けておくれ」と朝早くから小言をふりまく小言幸兵衛。頑固な姿勢で小言を言い続け・・・・・。おいおい、いつまで小言が続くんだ? 五月蝿いなあって言い返したくなる小言幸兵衛さん。今じゃ殆どいない。昔はこういう年寄りがいたが、消滅してから社会が変貌していった気がする。小言を言われ、「もうっ!」と思いながら、わが身を振り返ることが出来たものだ。

  親も、子どもに迎合する時代。面倒なことには「親」であっても関わりたくない、そんな親が増えている。例えば、母親は子どもの体を作るべき食事にも手を抜く。「好きなものだけ」を食べさせて、嫌いなものを食べさせる努力や忍耐力もない。完全に母親力がなくなっているのだ。その上、栄養が・・・と言いながらサプリメントなどを食卓に置いておく。言語道断。
  勿論、家庭で「躾」さえ出来ていない。喩えが古いが、江戸時代、男子では元服の15歳で女子では13歳。つまり女子の場合は子供が産めることが成人の資格であった。十三祝いとして腰巻をつけさせられた。当時の母親は幼いころか家事を手伝わせ、躾は教えるでなく自分で体得させた。ふと、自分の幼い頃のことを思い出して「ひとさまに笑われないように」、「ひとさまに迷惑をかけないいうに」と育てられた。当時は何がなんだか分からなくても、日本というの風土の中で伝統的な価値観に培われたものだということが次第に分かるものなのだ。
 
  毎日の通勤電車や街中で見る風景。子供や若者たちの姿。ところかまわず、化粧、飲食は当たり前。先日は着替える学生さえ目に入ってしまう。耳の中にはイヤホンを入れているから、周囲の状況など全くお構いなしだ。音楽か英会話か知らないけれど、昔は自宅で聞いたものだ。学習したものだ。最近ではそんな傍若無人な中年、老人も多い。この数分我慢していれば・・・・と小言を言うものさえいない。「何が起こるか分からない。黙っているのが一番」と暗黙のうちに理解し合っている。関わらない、関わらない・・・と。嫌なこと、面倒なことには関わらない、関わらない。誰かがいつかなんとかしてくれるんじゃないの?、関係ないものねぇ。
どうしちゃったのだ、最近の日本人は?

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このブログ記事について

このページは、ichikoが2006年6月 4日 21:42に書いたブログ記事です。

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吉田いち子
東京麹町生まれ。日本女子大学卒業後、サンケイリビング新聞社に勤務。2004年3月独立。
その後フリーランスで単行本取材・執筆。主婦、母親、会社員の慌しい?人生経験を生かした取材が得意テーマ。強みは「人脈」。名刺交換だけでなくまさに「魂」の交換?を理想にした密度の濃い人脈作りを目指している。2005年10月に首都圏在住の40歳以上のミドル層をターゲットとした生活情報誌『ありか』を創刊。2007年5月に、これまでに培ったノウハウを生かし編集企画・出版プロデュースをメーンとする株式会社『吉田事務所』を設立した。2011年春から豊島区の地域紙『豊島の選択』の取材・編集。

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