ichiko : みじかよ |
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大人になってしまうと、子ども時代のようにお祝いをすることもない。黙っていれば、フツーに過ぎていく一日。でも誕生日は「特別な日」。そんな日ももう直ぐ。
太陽が北回帰線上の真上に来る日。北半球で昼間の時間が最も長く、夜が短くなる日。日差しの強さが1年の中で一番強い日。でも、この時期は梅雨。日照時間が短いのでなんとなくその日の長さを実感しにくい。本州では昼と夜の長さがおよそ2対1、緯度の高い北海道では更に昼間の時間が長くなるので短夜(みじかよ)とも呼ばれるそうだ。でも夏至は冬至のようにカボチャを食べたり、柚子湯に入ったりするなんて、これといった過ごし方は無い。
日本より緯度の高い北欧では夏の訪れを喜ぶ嬉しいシーズンになり、いろいろな祭りが開催され、賑やかに夏至を祝う。フィンランドでは田舎のサマーコテージなどで篝火を焚いたり、また、スウェーデンでも夏至祭としてフォークダンスを踊るなど盛大に祝うという。
梅雨明けまでは未だ、そんな時期。夏至から数えて11日目の「半夏生」は、昔の農家にとってはこの日までに田植えなどの農作業を終えるという節目だったという。昔の人々の暮らしが本当に自然と一体になっていたことを知る。日本という土地に生まれ、日本人として培われたそんな感覚・感性は忘れないようにしたい。
因みに今日、6月19日は「桜桃忌」。
作家の太宰治が山崎富栄と玉川上水に入水心中して果てたのは、昭和23年6月13日であるが、毎年一度太宰を偲ぶ会を持とういうことで翌昭和24年の6月19日に第一回の桜桃忌が開かれたのだ。何故6月19日か?実はこの日に太宰の遺体が発見された。奇しくも太宰が39歳の誕生日に当たった事に因んでいるのだ。この日になると、39歳という若さで、あのような珠玉の作品の数々を残し、したい放題に生きた人物に、だだ感服してしまう。死の直前の名作「桜桃」。紅色の宝石のイメージが彼に相応しかったからか。しかし、太宰と言っても、もう彼の作品に心酔する若者もいなくなったのだろなぁ。何れにしても日本は「梅雨」。
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