随分前の話だが、以前勤務していた会社で都内某所に支局が出来て、そこに配属になったことがある。まだ、母が生きている時に、私の勤務先である、その場所を通りかかったことがある。その時、母が深い溜息をついた。「昔、この辺には家作があってねえ・・・戦時中はここにサツマイモを育てていた・・・」と言った。こんな交通量の多い通りに面したところにか?・・・そう思った。「考えられない・・・そこで、あなたが働いているなんてね・・・」と再び、深い溜息とともに呟いた。その母の横顔と言葉に私は何もかえせないでいた。
 


  また、ある日、我が家の小さな庭に少しスペースがあったので、子どもと一緒にナスでも育てようと張り切って作業をしようたした時、姑が「やめて頂戴、勘弁して」と懇願した。兎に角、そんな野菜などは庭で育てないでくれというのだ。
 姑に歯向かってまでナスを育てる気はない。直ぐに作業はやめた。そんなこんなで、結構家庭菜園をしたい気持ちはあるものの、戦争を体験してきた二人の女性たちの思い出を考えると、その気持ちも理解できて、私は何もしない。
   

  庭には、バラ、そして海棠、イタヤカエデ、ピラカンサス・・・・そして忘れたころに花開くカサブランカ。今はムクゲが咲き誇っている。昔、高千穂神社で小さな苗木で頂いた勾玉の木も成長して今では二階の屋根を越えている。
  季節のうつろいの中で花たちの姿を見るのは楽しい。そんな中で、実はしたくてもしないでいる「家庭菜園」なのだが・・・・・・


   団塊世代に家庭菜園ブームが広がっているそうだ。
今、巷で話題になる。所謂2007年の団塊世代の大量退職により家庭菜園愛好者が増えると期待され有望市場とみられている。
   例えば農業機械メーカーのクボタなど家庭菜園向け小型農機の新製品「ニュー菜(な)ビシリーズ」を模擬菜園など設置してアピールしている。 この小型農機需要は、2003年の約7万台から2005年に約8万台の伸びを示している。今後3年間で20パーセントの伸びを予測している。
また、井関農機では、家庭菜園支援サイトを開設したところ、アクセス数が当初から4倍に激増したとか。やはり家庭菜園用小型農機「マイペット」を全国の販売店の店頭に展示し、今後の農機マーケットの大幅転換期とともに、家庭菜園の小型機の販売台数の伸張をクボタ同様に予測している。
 人と同じことをすることは好まない団塊世代。受験、就職、ビジネスの世界でいつも闘ってきた団塊世代が単に健康増進、手頃な価格、操作が簡単といううたい文句だけで、飛びついていくか、あと一捻りしたホンネを知りたい。

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プロフィール

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吉田いち子
東京麹町生まれ。日本女子大学卒業後、サンケイリビング新聞社に勤務。2004年3月独立。
その後フリーランスで単行本取材・執筆。主婦、母親、会社員の慌しい?人生経験を生かした取材が得意テーマ。強みは「人脈」。名刺交換だけでなくまさに「魂」の交換?を理想にした密度の濃い人脈作りを目指している。2005年10月に首都圏在住の40歳以上のミドル層をターゲットとした生活情報誌『ありか』を創刊。2007年5月に、これまでに培ったノウハウを生かし編集企画・出版プロデュースをメーンとする株式会社『吉田事務所』を設立した。2011年春から豊島区の地域紙『豊島の選択』の取材・編集。

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