ch05.エンタテイメント : クィーン |
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何をもって完璧か・・・というのは大変難しい。ひとそれぞれである。好みが優先されてしまう所謂、エンターテーメントであれば尚更のこと。が、久しぶりに完璧な映画「クィーン」を観た。
1997年8月31日。暑い夏の日だった。今でも鮮明に覚えている。その日友人とランチをとる約束をしていた。友人は「ダイアナ妃が事故にあった」と息をきらしていた。
パリで交通事故に遭い、帰らぬ人になった日だ。もう10年も経つ。その後のメディアは人々が興味をひく様にと、品のない番組を制作し続け、それは目にあまるものもあった。
既に民間人となっていたダイアナの死は王室にとってし関係のないことだったのだろう。しかし、あらゆる情報やこころない噂に真実が埋もれていたのではと私はずっと思っていたのだ。
この映画の中でエリザベス2世を演じるヘレン・ミレンは、2007年アカデミー賞で主演女優賞を受賞している。そしてブレア首相を演じたマイケル・シーンの演技にも思わず引き込まれる。
映画製作で、まさか王室に取材はできないだろう。しかし、かなり王室に近い関係者からの取材だと思うが、本当に調度品、衣装、食卓、クルマなど生活シーンの細部にいたるまで完成度が高いと思えた。女王が森で大きな鹿と出逢い、心の中で何かが変化していく・・・・あのシーンが私は一番、印象に残る。
あの6日間。ダイアナ妃を称える国民の声が次第に高まっていく中、無視し続ける女王に、国民の非難が寄せられるようになっていく。国民と王室が離れていくことに危機を感じたブレアが和解に全力を振り絞る。刻々と時間が経っていく。ブレアの焦り。そして、一語一語丁寧に言葉を選びながら国民にコメントする女王の姿と周囲の緊迫感。本当に素晴らしい仕上がりだ。人はいずこも「前例のない」事態には混乱する。それをどう乗り切るのか?知られなかった王室の一面を見た。
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